イワタ流景気動向指数の見方

 岩田先生の『景気ってなんだろうか』(ちくまプライマリー新書)より。

 内閣府がホームページ上で公表しているコンポジット・インデックス(CI)という景気動向指数があります(ここhttp://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/1007ci.xls)。このCIには景気の動きに先行すると考えられる先行系列、景気の動きと一致する一致系列、さらに景気の動きに遅れて反応する遅行系列があります。

 CIは景気の強弱を定量的に計測しようというもので、いわば景気の勢い(景気拡張や景気後退の度合い)を伝えるものです。例えば今後、世界不況がどのくらい日本経済を悪化させるのか、その度合いを予測するのに使えるものでしょう。

 岩田先生は、上記新刊の中で、「イワタ流景気動向指数の見方」を披露されていて、このCIの先行系列の6ヶ月前・対比年率を景気予測で重視しているといいます。

 これはクレディ・スイスの白川浩道氏(他にも確か嶋中氏とか僕の周囲でも何人か)が景気予測として重視している手法でもあります。

 このイワタ流の景気予測を用いると、日本経済は「〇六年一〇月頃から、景気は踊り場状態にあったが、〇七年一一月頃、あるいは、遅くとも〇八年三月には景気後退に入った」と判断されるといいます(このブログやyanoさんのブログでも類似の指摘はしてきました)。

 さて最新のイワタ流を使うと、08年8月のCI先行指数は89.3で、その半年前の08年2月は93.1でした。したがってイワタ流(CIの先行系列の6ヶ月前・対比年率)ではマイナス4.08となります。これは先月、先々月にくらべて一段と景気の減速の度合いを深めていると予測できるように思われます。ご参考までに。