日本の本棚がグリーンスパンに冷たい


 『グリーンスパンの正体』『検証グリーンスパン神話』などというグリーンスパン批判本が結構評判みたいでよく書店でも眼にする。ちょっと読んでみて、さすがにそれはグリーンスパンが気の毒ではないか、という記述も多い。特に前者は19年間の議長時代を二つのバブルを生み出したアメリカの金融制度を危機に陥らせたものと厳しすぎる断定を下していて、それはちょっといくらなんでも、という感想を持たざるをえなかった。ボスキンレポート陰謀論みたいな記述に至って、もう同書をこれ以上速読する気力を失ってしまった。もちろんこれらの本とは真逆であるグリーンスパン自身の僕の研究にはあまり役立たなかった自伝も、何度も読むのを途中でやめたくなったというのが率直な感想なのだが。

ク゛リーンスハ゜ンの正体-2つのハ゛フ゛ルを生み出した男

ク゛リーンスハ゜ンの正体-2つのハ゛フ゛ルを生み出した男


 ところで最近、何冊もまとめて(たぶん10冊くらい)、サブプライム問題関連の単行本を読んだ。その中でサブプライム問題をグリーンスパンの政策批判と関連させた代表としては、門倉貴史さんの『官製不況』をあげることができる。門倉さんの批判の基準は、テーラールールで求められた適正なFFレートと現実のFFレートとを比較して、01年半ばから05年半ばまで、前者を後者がかなり下回っていたことを指摘し、この時期の金融緩和の行き過ぎ、それによる住宅バブルの発生、そしてこの時期の終了後からの急激なFFレートの上昇がバブル崩壊とそれ以後のサブプライム問題の顕在化をもたらした、という主張である。


官製不況 なぜ「日本売り」が進むのか (光文社新書)

官製不況 なぜ「日本売り」が進むのか (光文社新書)


 この項目、ちょっと長く続くが、あとで付記予定