王と鳥


 最後まで隠し穴に墜ちた本物の王の行く末が気になった。それだけで後は三鷹に散歩でもいったほうがいいような感じ。まったく合わなかった。ところどころに『天空の城ラピュタ』ぽい(元祖はこちらだが)ところがある、警察や大型ロボの造形、旧世界の崩壊を描くところとか、それが眼をひいた。ところで『ハウル』は映画のマンガ版で読み、『ゲド戦記』は原作の思い出が強いのでそのまま映画はみずにスルー、という展開なため最近のジブリ物はまるでみていない。最後にみたのは『トトロ』Ⅱみたいな感じの三鷹で観たものが最後か(検索で調べたら『めいとこねこバス』という題名のかなりよくできた短編)。

王と鳥 スタンダード版 [DVD]

王と鳥 スタンダード版 [DVD]


 むしろジブリ関係というか宮崎駿関連でいえば、彼が最初と最後にマンガで解説というかエッセイを書いている『ブラッカムの爆撃機』が面白い(本文ではなく宮崎駿のパート)。これは『泥まみれの虎』『宮崎駿の雑想ノート』やもちろん映画『紅の豚』に直接結び付くテイストで読ませる。問題はロバート・アトキンソン ウェストールの本文の方で、そちらはちょっとごっちゃとした文章で読みにくい。むしろ一緒に古書店で購入した『かかし』の方が面白いのかもしれないが。