バートン・ビッグス『ヘッジホッグ』(望月衛訳)


 望月さんの新訳ということで書店で偶然みかけたので購入しました。基本的に僕は相場関係の読み物は興味ないのですが、それでも一年に数回ぐらい思い立ったように読書欲がでるときもあります。その際にはこの本でビッグスが推薦している参考図書は有益なガイドになるでしょう。また本書では彼の30年にも及ぶストラテジストの経験談は人間観察記として面白い読み物だと思います。経済や市場の知識がまったくなくてもこの「ヘッジホッグ」(ハリネズミヘッジファンドとかけてる)の世界にふれることができるでしょう。僕はいま書いたように経験談・コメントつきブックガイドとしてこの本は有効活用したいと思います。ヘッジホッグの史上最大の人物としてのジョン・メイナード・ケインズの活動に1章割いてますが、(経済学史のプロというオタクwでなければ)興味深く読めるのではないでしょうか。


ヘッジホッグ―アブない金融錬金術師たち

ヘッジホッグ―アブない金融錬金術師たち


 そういえばケインズの『一般理論』には財政政策での長期停滞脱出という強いメッセージはないんですよね。

(補遺)那須正彦『実務家ケインズ』(中公新書)は、投機家ケインズの肖像もわかって有益です。