世界の中銀スキャンダル研究サイト

たまたま発見。

http://www.ex.ac.uk/~RDavies/arian/scandals/centralbanks.html

今回の日本のケースにかなり近いのはやはり前イタリア中銀総裁ファツィオ氏ですね。以下のHEAT1836さんのブログを参照。

http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200512200000
<ファツィオ氏は1993年にイタリア銀行総裁に就任。イタリアの銀行バンカ・アントンベネタの買収合戦で、オランダの銀行ABNアムロより伊銀バンカ・ポポラーレ・イタリアーナに肩入れしたという疑惑をめぐり、7月に警察が同氏の会話を盗聴して以降も、総裁の座にとどまりつづけてきた。>

 日本とはもちろん警察の捜査のあり方や司法制度も違うでしょうから同じくくりは禁物なんでしょうが、それでも彼の辞任はやはりマスコミの「疑惑」から政治的騒動に発展しての辞任ですね。警察の盗聴などは日本と異なりますが、実際には特定の企業買収をめぐる話で、特定の買収側への「肩入れ」というのも似ている印象。どんな「肩入れ」なのかはよくわからない、ところも似ている。ちょっとこれからも調べてみたいと思いますが、上のサイトによりますと、警察が盗聴したテープで親しげな会話をしていた(これはテープがあるので確実)と宝石の贈答をうけていた「疑惑」だけですね。それで信頼性を喪失して政治騒動にまきこまれて辞任です。その後、中銀総裁の指名についての法改正もありました。

 日本はこのままですとワイドショーが力を発揮すれば別ですがw 政治的には辞任させないかわりに、景気の日銀への責任と日銀法改正の材料を政府がゲットしたという展開なんでしょうかね? 

(追記)
この報道によると盗聴テープの存在が大きいですね。しかしこの会話だけではまさに「疑念」なわけだ……。ただ認可権があるからこれはインサイダーってよりもなんだろ、裁量権の乱用か??

http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M3000A+01082005&g=MH&d=20050801

ちなみに中銀の信頼性を道義的な問題にしてしまうとわけわからないので、上の中銀スキャンダルサイトの冒頭の研究論文をみると、スキャンダルによる中銀の信頼性の損失が、中銀の最適な政策を損なうことが論証されてるようなので(まだそれほどしっかり読んでない)検討に値するでしょう。