ジェフリー・サックスのスーダン経済論


 月曜に発売の『週刊東洋経済』のサックスの論説。


 『貧困の終焉』でも強調している初期条件とくに自然環境と経済発展との関連について。砂漠化が環境制約となってスーダンの政治的抗争や経済発展の足枷になっているので、国際機関は社会資本の整備などで積極的に貢献すべきである、という趣旨のもの。


 特に下にリンクした国連の報告書「抗争後の環境評価」の要旨を紹介しています。しかしこの報告書はすごいよ。


 http://sudanreport.unep.ch/UNEP_Sudan.pdf

 見本出来


 『経済政策形成の研究 既得観念と経済学の相克』(野口旭編、ナカニシヤ出版)の見本が届く。すごい重厚な作り。(自分が書いててこんな表現もなんだが)本格派の経済論文集という感じ。浜田宏一先生の論説が三編も収録されているのが嬉しくもあり驚きでもある。個人的には絶不調のとき*1の論文ですが、いま読むと編著者のみなさんの暖かいwアドバイスもあってなんか面白いぞ、自分(笑)。


 予告では8月刊でしたが、ずれこんで9月中旬には書店に並ぶそうです。お楽しみに。

*1:近隣の家屋解体に伴う震動・騒音その後の建築などに伴う不眠とか偏頭痛とかで人生至上最大の健康・精神危機w そのほかのことも加えてインセンティブ激減でエコミシュ三人組には特にご迷惑をおかけしましたが

 早読み『週刊東洋経済』


 明日発売の『週刊東洋経済』に福井秀夫氏の『司法政策の法と経済学』の書評を書きました。コースの定理を政策判断の基準にしている福井氏の論法は、この基準の適用のみに注目しすぎ=規範的分析なおざり、かのように思えますが、そこを書評で積極的に補ってみました。福井氏の他の著作も読んでみたい気になりました。ただしラスカルさんの指摘だと雇用流動化論とそれに関連する制度改革については僕とは考え方まるで違うなあ。



 また原田泰さんの論説は、河上肇のロイド・ジョージ論、「憲政の神様」尾崎行雄らについてふれたもので、特に後者の戦時中の発言を紹介しています。


 サックスの論説もあるのですが、これは別にエントリーをかえて書きたいと思っています。