アート・スピーゲルマン『消えたタワーの影のなかで』


消えたタワーの影のなかで

消えたタワーの影のなかで


作者がテレビ出演を依頼されて、まったくテレビの編集に合わない発言で放送局をたたき出されるのが、誰かさんに似ているので笑えた。作品自体はそりゃ、一読の価値はありますともええ。(評価☆☆☆1/2)

 ポール・オースター/デビッド・マッズケリ『シティ・オブ・グラス』


シティ・オブ・グラス (Graphic fiction)

シティ・オブ・グラス (Graphic fiction)


 下に書いたスピーゲルマンつながりで再読。相変わらず面白い(評価☆☆☆☆1/2)。原書の最新版ではスピーゲルマンが序文を寄せたらしいですが。


 ポール・オースターということでこの記事を思い出しました。


<――……それに比べると脳天気な話かもしれませんが、『シティ・オブ・グラス』のコミック版なんてのが出てしまってますね。とはいっても、見たときは悪い冗談だと思いましたが、実際に読んでみると異様な出来のよさで……

「うん、驚異的だろう。あれを仕切ったのは、ナチズム風刺コミック『MAUS』をやったアート・シュピーゲルマンで、昔からの友達なんだ。最初に話を持ってこれらたときには面食らったけれど、まああいつのやることならまちがいはあるまい、ということで OK を出したんだ。どんなものが出来上がるか興味もあったし。結果はきみの言う通り」

――あのピーターが椅子にじっとすわってほとんど支離滅裂な独白にふけるあたりなんか……

「……感心させられたよね」

 『シティ・オブ・グラス』登場人物ピーターは、純粋言語を探し求める父親によって子供時代を一室に監禁されて過ごしたため、通常の会話能力を欠いている。このため、あちこちからかき集めてきたような、繰り返しの多い断片的な借り物のことばで語る。それをアーティストのデビッド・マツチェリは、ピーター自身が次々に変身を遂げる形で表現し、原作の借り物めいたせりふの雰囲気を見事に描き出していた。 >


 80年代の後半に日本でオースターの作品が翻訳されて、「三部作」から数作はでるたびに愛読していましたね。一番最後に読んだのが実はこのコミックなわけでしてそれからはかなり遠ざかってしまいましたが…。

 ところでこの『シティ・オブ・グラス』のモチーフとジョージ・スタイナーの考え方ってやはり関連するのかなあ。

  いろいろ来てるけどワンダーウーマン


 Greg Ruckaのワンダーウーマンは面白いね。前にご紹介したものの続き。ハーデスの死の国に乗り込むワンダーウーマン。ただし先のメドューサとの戦いで失明状態。本書の前半は並行する別のストーリーを収録。前作の方がかなり上回る出来ではあるが。☆☆☆。続きも出てるので読む予定。アメコミ喫茶ないのか??


Wonder Woman: Land of the Dead

Wonder Woman: Land of the Dead


 論文書き上げたら少しため息つく予定なので(笑 コミック・コミック研究書が読む順番を大量にお待ち。おいおい感想を書きますが。とりあえず自分でも意外なのはスパイダーマンよりもワンダーウーマンが好きだってことw。

ところでコミックのアングラ市場が知りたくて、Roger SabinのADULT COMICSをパラパラ。参考文献に面白そうなのをいくつか発見。

それにしてもうっかり堺さんを稲葉さんとこで誉めたがw その後でよく彼の直近のコメント(「また、稲葉さんの論点はいまだにほとんど理解できませんし、海法くんの言いたいことはよくわかります」)みたら、あんまし進歩してないのねw 誉めたの消そうかと思ったら「韓リフ」だと消せないのか。 

 少なくとも経済学の教科書ぐらい見といたらどうなのかなあ。相変わらずご自身の「トンだトンチキ」からくる解釈でアメコミ部分を取り出して増田本が全部だめ、っていう話ですかね?
こっちはアメコミの「お勉強」まじめにしてんだからさw 「論争」するときは少しは相手のもち札の「お勉強」をするのも流儀じゃないの? 

簡単に書くと、田中はアメコミの初歩的知識の取得含むアドバンスなお勉強と経済学のアメコミ市場の適用のお勉強、堺さんもアメコミの「トンだトンチキ」を解消するお勉強+経済学の初歩のお勉強

それしないと永遠に平行線のままだが、それでいいわけね、あっそw

 ダニエル・クロウズ



 プレスポップ刊行のダニエル・クロウズの二作品『ゴーストワールド』と『LIKE A VELVET GLOVE CAST IN IRON 日本語版 』を読む。まあ、お上品な嗜好の人は特に後者は読まないほうが吉。トミーネが精神的な不快感をベースにしているとすれば、クロウズはそれに視覚刺激が加わる。ただし前者も後者もかなり作品としては上質。前者はいろいろ言及されているので、後者については、つげ義春の『ねじ式』をちょい現実的にしたロードムービー日野日出志の視覚的造詣をトッピング、それにデビット・リンチと『悪魔のいけにえ』的カントリー風景を加えてできあがり。画風はトミーネと同じ。またコマ割りが単調なのがかえって気になる。怪作なのは間違いないのでお楽しみあれ。


クロウズについては


http://www.presspop.com/artist/daniel_clowes.html

 アラン・ムーア祭りはじめますた

 とりあえず翻訳あるのから。



グリーン・ランタンの気の抜けたのが一番面白い。☆☆☆



 昨日、再読したのの続編なのだが、これはう〜ん。スピルバーグの『宇宙戦争』のすごいスプラッターんみた後だとインパクトに欠けるよなあ。
物語展開も甘いような…☆☆☆

 明日から原書をちょびちょび。何冊も群馬においてきてしまったわけだが…まあ、いいか。

 月館の殺人(下)

月館の殺人 (下)??

月館の殺人 (下)??

正直、微妙。上は面白かったのだが、ネタばれになるので詳細は省略。


 ついでにアラン・ムーアの評伝やらエッセイ集やらいろいろ来たが、それは追々読んでいくとして、とりあえず定番のこれを再読。


リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン (Vol.1) (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン (Vol.1) (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)


Ⅱの翻訳をとりあえず明日にでも読むつもり、夏の終わりにはⅢもでる模様。面白くないわけはない。

 アメコミのラブロマンスもの


 げげげ、なんじゃ、こりゃあ。60年代のラブロマンスものを多数収録したもの。増田本の主張のひとつの女性を描けないアメコミという話を検証するために購入。しかし増田本の主張以前に、これは読むに耐えないなあ。いっさいヒーローは出てきませんのでその意味では希少価値だけども、う〜ん。

 韓流ドラマをみたほうがいいです。謎 それとアマゾンで注文したんだけど下と表紙違うんですが(ーー;)。

 ちなみに下の表紙をみていただけるとわかりますが、ほとんどのKissシーンの描き方がこれと構図が一緒なんすよ。なんか定番すぎてのっぺり。そんな感じで全編つきすすんでいるとお考えくだせい。


Marvel Romance


注 増田本って? 以下のこと。成り行きからこの本を事実上刷新するために日々精進する田中であった 笑 ちなみに私は増田氏と会ったことも貸し借り一切ないw


日本型ヒーローが世界を救う!

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