猪瀬直樹『道路の決着』(文庫版):対論 猪瀬直樹vs田原総一郎

 勧められて読んだのだが、この文庫版の最後の対論は、小泉政権当時の構造改革のひとつのまとめになっていて便利である。特に上下一体方式、超過債務問題、9342キロ問題などが、猪瀬さんの独自の見解で見通しよく批判的整理が行われている。本人も対論の中で率直に認めているように、最初から見通しがよかったわけではなく、5年間で次第に鮮明になってきた部分があるだろう。『道路の権力』や単行本版の『道路の決着』よりも数段にこの対論はわかりやすいものになっている。

道路の決着 (文春文庫)

道路の決着 (文春文庫)