猪瀬直樹『空気と戦争』&日本銀行という空気でなく狂気


 発売直後に猪瀬さんからサイン本を頂いたのですが学期末で紹介が遅れました。献本いただきありがとうございます。これは東工大での講義をもとにした、「なぜ日本は負けるとわかっていた戦争を始めたのか」というテーマで書かれたわかりやすく鋭利な著作です。


 この著作に一貫して流れているのは官僚的な心性との闘い、その最大の障害物である「空気」というものです。いまや日本銀行関東軍となり、市場の「空気」をリークや地ならしで誘導しているわけですが。


というかすでに通常の経済学の理解を超え、空気も超え、神秘主義の領域に入っている日銀幹部の以下の発言をみると、ただの“狂気”にしか思えないわけです。いったい何を目的に利上げを行うのでしょうか? 

引用: 日銀の野田忠男審議委員は26日、奈良市内で記者会見し、「消費者物価指数(CPI)や国内総生産(GDP)を無視するわけではないが、そこにとらわれることはない」と述べた。http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/interest_rates_rise/より。


何にとらわれているのだ?


空気と戦争 (文春新書)

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