キム・ギドク『弓』


 7歳のときから10年間、老人に船上に幽閉され続ける少女。老人は少女が17歳になった日に結婚することを夢見る。やがて釣り客として訪れた青年と少女に交感が生じることで、この老人と少女の調和的な関係が急激に壊れ始める……全編、主人公のふたりに台詞はなく、かわりに弓の風切る音と弓を胡弓として奏でる音楽だけがひたすら画面を覆う。神話的な作風は、『春夏秋冬そして春』と同じだが、小宇宙=船の中に貫かれた倫理とそれを体現する弓(暴力と慈愛の両面を持つ)というギドク世界がここでも展開。このギドク世界の単一倫理という暴力と愛(慈愛)の両面性を、やはり「清算主義」的マインドの逸話として読み解きたい欲望に駆られる。


弓 [DVD]

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 そのために韓国語の勉強をついに始めたオレ田中w