まあ、政策決定会合での決定と大幅に違う発言がでてきたらそれこそ驚きなわけですから内容は予定調和です。亀崎委員は日銀公式見解をそのまま発言している優等生タイプ*1、中村委員の方はお人柄でしょうか、むしろ素直なリアクションをしてまして、これから「教育」しがいがあると注目されていたりするかもしれません。亀崎委員の発言の内容は注を読んでいただいて、中村委員の素直?(本来はプロ集団なのでこんな素直とか素直じゃないとかおかしいですがそれ以外感想の持ちようがないのです)な発言は例えば下に引用した物価上昇アレルギー論。この素直さが今後どう変容していくかウオッチしたいと思います。
:(中村委員)また、物価につきましては、
基本的には上昇基調にあると思いますが、長年物価が上がらなかった、あるいは下
がってきたということがありまして、値上げに対するアレルギーが根強いことなど
から、上昇テンポは緩やかなものにとどまる可能性が高いと感じています。:
あとは僕もお二人ではなく政府と日銀の採用ルートに聞きたい質問なんですが(当然、記者会見でわかるわけもないけれども)
(問) 審議委員の選考過程はあまり明確でないのでお聞きしたいのですが、お二
人はなぜご自身が審議委員に選ばれたのかについて、どのようにお考えですか。
(中村委員) 私は、最初、政府からお話があった時は、正直言って驚きました。
私自身どういう過程でこういうことになったのか、いまだに理解できていません。
むしろ私が聞きたいくらいです。(亀崎委員) 私は、エコノミストでも、学者でもありませんし、商社で41 年間
過ごしました。なぜ私かというのは、わかりません。しかし、先程から申し上げて
いる通り、まだ気力、体力、やる気はあるので、物事をぶれないでコモンセンスを
持ってしっかり勉強していきたいと思いました。なぜ私かは私も存じ上げません。
(中村委員) ただ、お話があった時私は、今、亀崎委員からお話があったように
エコノミストでも学者でもなく、必ずしも適当ではないのではないかということで、
一旦は、断りました。しかし、そうではなく、今までの企業における財務の経験と
か外航海運における経験とか、そういうことを活かしてくれれば良いというお話が
ありましたので、そういうものかなという感じで引き受けた次第です。
記者の質問へのお二人の赤字で示したような感じの認識でよければ誰でもなれるでしょう。政策委員、以下略。
まともに考えると専門的見解がわからない(これから「勉強」していく)人がどのような政策スタンスを採用するのか、という推測をもたらすこと自体が、日銀が内外で批判され続けている裁量性の一根源かもしれないですね。というかそれを追うためにこのお二人のどうみてもベタな発言をとりあげてエントリーを立てました。これからこの点にも注目していきたいと思います。