文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」出演:人工知能と社会の変貌、今年の経済予測と消費増税が来年経済をダメにする(民間と同時に、政府からの“賃上げ”=消費減税を!)、ノーベル賞と日本の絶望

 今日は新年ということでいくつかの太い柱で話させていただきました。

 人工知能と社会の変貌、今年の経済予測ではおそらくインフレ目標の達成が現状のままだと困難だということ(番組では語りませんでしたが、例えばコアコアCPIでみたとき)、そして来年2019年の消費増税で経済は不安定化するだろうということ、むしろ安倍政権は消費減税を行い、政府から人々の“賃上げ”(=可処分所得の増額)を目指すべきだと指摘しました。

 法人減税と賃上げを組み合わせる政策も財務省らしい小賢しい政策ですが、ストレートに人々の手元のお金が増え、日本のいまいち(過度に否定的に考えるスタンスはただのトンデモだと思いますが)な現状を解消するには、消費の低迷を払拭することが重要でしょう。現在、消費が若干戻ってきていますが、それは株価上昇などの資産効果が大きく貢献しているのかもしれません。

番組は生放送ではradikoで以下で聴けます
http://radiko.jp/#!/live/QRR

また今日の放送は、以下で一週間聴けます。
http://radiko.jp/#!/ts/QRR/20180102050000

貧困線についてのメモ

 自分用のメモ。


http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/kentoukai/k_1/pdf/s10.pdf
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21a-01.pdf


http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/03.pdf

日本の子どもの貧困分析 :明坂弥香、伊藤由樹子、大竹文雄
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis337/e_dis337.pdf

各種貧困指標の展望

https://www.jica.go.jp/jica-ri/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/field/pdf/200803_aid02_03.pdf

チャールズ・ウィーラン『MONEY』(山形浩生・守岡桜訳:東洋館出版社)

 目配りのよさと多彩な具体例、そして現実をしっかり見据える視点から書かれた良質の貨幣論の入門書である。大学生ならば授業の副読本で読むには適切だろう。価格もこの本の分厚さにしては手ごろだ。ただしその分厚さがちょっとしたハードルになる人もいるだろう。ただしそんな分厚さも著者の豊富な話題と訳者たちの日本語がすんなり読めるので大した問題ではないだろう。

 特に日本の長期停滞やデフレに興味のある人は、ウィーランが、インフレはまずいこと、デフレはさらにまずいことを丁寧に解説した第1章「お金ってなに?」第二章「インフレとデフレ」第三章「物価の科学:技芸、政治。心理学」をまずは読むことをお勧めする。そこではジンバブエのいまは失脚したムガベ大統領時代のハイパーインフレと、日本のようなデフレという現象が、実はお金の働きからみればコインの両面であることがわかるだろう。ジンバブエの人たちにとっては迷惑な話だったろうが、ムガベ氏の起こしたハイパーインフレは、貨幣的現象の仕組みをわかりやすく解説できる恰好の題材を提供してくれたと思う。

 そしてインフレよりもデフレの持続の方が経済そのものをおかしくする効果をもつことも納得できるのではないか。その後に山形浩生さんの訳者あとがきをさらっと読んでから、第10章「日本」を読む。そのあとに第6章「為替レートと国際金融システム」を読むといいと思う。

 ほかのところは、なにか新聞やメディアなどで各国の話題があるたびにその該当経済圏の章を逐次参照していけばいいだろう。残りの章はその後でも困らない(第4章、第5章は最後でもいい)。

 もちろん通読がお勧めではあるが、時間が取れない人や関心がかぎられた人には上記のような読み方をお勧めした次第。同じ著者の『裸の経済学』はかなり昔に読んだが印象には残っていない。今回の『MONEY』がとてもいいので、山形さんの新訳であらためて読んでみようかなと思っている。

MONEY

MONEY

経済学をまる裸にする  本当はこんなに面白い

経済学をまる裸にする 本当はこんなに面白い

アニメ『宝石の国』

 久しぶりにまとめてテレビのシリーズ化されたアニメをみた。去年は「ソードアートオンライン」をまとめてみたぐらいでめっきり視聴が減ってしまった。夏にジョーン・ロビンソンの研究を福田徳三研究の穴埋めでやろうとしたら思いのほか面倒なことになってしまいそれで時間を損耗したせいかな? 笑。

 それはさておき「宝石の国」のアニメはとてもきれいな映像、そして繊細な声優陣の演技とキャラ設定で、感情移入がしやすい特筆すべき作品だった。なぜこの作品を見る気になったかといえば、、オープニングテーマの作詞作曲編曲をてがける照井順政氏が、風間玲マライカ&神�啗風花のふたりのILLNINALのリリイベで、その名前と作品を口にしたのを記憶していたからだ。

 もちろんマンガ『宝石の国』自体は知っていて、作者の市川春子氏の作品は『虫と歌』『25時のバカンス』とかなり前に読んでいて、興味深い作品集だと思っていた。

 はやく続きがみたいアニメである。

鏡面の波(アニメ盤)TVアニメ『宝石の国』オープニングテーマ

鏡面の波(アニメ盤)TVアニメ『宝石の国』オープニングテーマ