ついに復刊! 高田瑞穂『新釈現代文』

 書店の棚をみてて、思わずわが目を疑う。ついに復刊。しかも文庫でか。

 この本を読むまでは現代国語の成績のばらつきが激しかったけれども、これを読んでからは完全に「受験の現代国語を解く自分の立場」と「ふつうの読書する自分の立場」を峻別できるようになった。いいかえると受験国語をやたら客観視して取り組めるようになったわけ。懐かしい。いままで復刊ドットコムでも投票してたり、もう大学教員の地位を利用して(笑)、他大学で所蔵しているのが全国に数校あるのでそこから取り寄せるか、と思っていたわけだけど(自分のは屋根裏のどこかにw 探すとなると引っ越すのが早いくらいのコストがかかる)。いまの学生にどこまで役にたつのかわからないが、石原千秋氏がそこらへんのことをフォローしてえくれるはずなので迷わず買い。子供やゼミ生なんかに見せるために二冊買って保存しておく。

新釈 現代文 (ちくま学芸文庫)

新釈 現代文 (ちくま学芸文庫)

奇想の王国ーだまし絵展ー

 昨日の『つばさ』ファンミーティングの帰りにBunkamuraザ・ミュージアムでやってた「奇想の王国ーだまし絵展ー』に出かけた。

http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/09_damashie/

 アルチンボルドとか欧州にいったときにこまめに見たので子供の時に初めてみたときほどの驚きがなくなってしまった。日本の浮世絵勢も実物をすでに過去にみてたり、図録でみたことがあるものが多く新鮮味に欠けた。ああ、年をとってすれたなあ(笑)。全般的にいまいちな感じが続くなか、ただひとつ足をとめて何度もみた作品が、パトリック・ヒューズの『水の都』。これは手ぶれのビデオで撮影した映画みたいに、酔うよ。実際に回りでみていた何人かの観客が「気持悪くなる」とその視覚効果のすざまじさを語ってた。実にシンプルなんだけど幻覚効果では、この展覧会随一じゃないかな。

 下に本人のホームページがあって動画もあるんだけど、この動画だとたぶんあの酔うかのような幻覚効果はわからない。ぜひ実物をお試しあれ。

http://www.patrickhughes.co.uk/

 だまし絵展の中では上のHPでも脇役的扱いだけど、今回の展覧会のベスト。