前から読もうと思っていた作品。大人買いして一気に読んだ。太平洋戦争の激戦地であったペリリューは、ほとんどの日本人から忘却されていたと思う。硫黄島の戦いが映画やドキュメント作品によって再注目されて、それを契機に僕もこの激戦というには表現が軽すぎる、真に悲惨な戦場のことを知った。
この作品は戦争を好運にもいまのとこと知りえない私たちの世代に、戦争をどのように伝えるのか、その試みを提示している。水木しげる氏の戦記物とももちろん違う、なにか一種、夢幻的で絵柄の可愛さが救済となりながら、実際には過酷で悲惨なエピソードが延々と続く。
とても貴重な読書経験だった。

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 5 (ヤングアニマルコミックス)
- 作者: 武田一義,平塚柾緒(太平洋戦争研究会)
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2018/07/27
- メディア: コミック
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