長谷川晶一『私がアイドルだった頃』

 かってアイドルだった少女たち13名をとりあげ、アイドルの時代の葛藤から今日までの歩みをせきららに聞きだす。アイドル市場が、一種の補償賃金によって成立していることがわかる。アイドル=名声を得ることできわめて劣悪な雇用環境に耐えている。

 個人的には、90年代にファンだった嶋村かおり氏の歩みを振り返ることができるのがよかった。おニャン子ギリギリガールズの裏面も面白い。アイドルに興味がある人はもちろん、80年代から90年代の若い女性たちの働く姿をいまの地点から評価する意味でも有意義な一冊。

私がアイドルだった頃

私がアイドルだった頃