長谷川幸洋『官僚との死闘七〇〇日』

 長谷川幸洋氏の『官僚との死闘七〇〇日』の頁をようやく捲くったんだけども、いろいろな公務員との暗闘は将来の参考にできるだろうし、日本の大規模組織にありがちな、個別では優秀で知性あるいい人=組織では狡猾で愚劣な人、という人間類型のオンパレードというか展覧会カタログとしても有用なんでしょうね。

 でも正直いって、例の郵政民営化論争をネットでやった経験からいうと、上げ潮派とはまあやはり基本的に違うなあ、というのが読んでて思った感想。いまさらかもしれないけれども(ネットではノーガード経済論戦に郵政民営化関連でいろいろ書いたので検索されればわかるはず)。どうもこういう勧善懲悪の二元論というのはわかりやすいといえばわかりやすいんだろうけれども。読んでる読者のレベルを(複眼的には考えられっこないなどと)勝手に見下しているヒドイ書き方ともいえる。まあ、社会的な使命感をカルト的心性まで高めないといまの日本の官僚組織の中ではまともな人間は息ができないということでいいんだろうなあ。

官僚との死闘七〇〇日

官僚との死闘七〇〇日