『天然コケッコー』とニイナ(しったか)


 もうひとつのブログでも書いてけれども最近、はまっているのが『天然コケッコー』の映画版。すでに5回も観ているわけだが。原作版はさきほど読了したけれども、僕の趣味だと映画版の方がお気に入り。やはりこの監督の持ち味だと思うけれども映画の中にその土地の「大気の匂い」みたいなものを映し出すのに成功していて魅かれる(『リンダリンダリンダ』も前橋とかあたりの大気をやはりうまく表現していて職場が近いのでやはり魅せられた)。


 今回の舞台は島根の山陰海岸部。浜田市が舞台に近いらしい。原作者のくらもちふさこ氏の母方の郷里がそこらへんらしい。去年の夏ごろにこのブログで書いた当時の安倍首相夫人のアッキー女史と山口で偶然出会う云々エントリーでもわかるように、僕の母親の方の実家も実は山口の山陰海岸部。この『天然コケッコー』とは自分が体験した夏から秋にかけての「大気の匂い」が非常に類似しているように思える。そんなこともこの映画に引き込まれてしまう一因である。


 それと専門家ではないので詳細は不明だが、方言が似ているような気がする。といっても本当の方言は(特に老人達のしゃべることばは)その昔聞いた記憶でもほとんど判読不可能だった。祖父母たちはなるべくわかりやすく話してくれたようだけれども。


 それと映画の冒頭近くに主人公達が海岸に遊びにいくのだが、そこで小さい子たちが一生懸命に貝をとっている。たぶん映画では(原作でもそうだったろう。いま周りをみたが整理がよすぎて見当たらない 笑)その貝を「しったか」とかいっている。


 これは検索してみると、僕もその昔、夏に毎年のように祖父母の家の裏側がすぐに岩場のある海岸だったので、そこで採集してつくだにや塩茹でなんかにしてくれた「ニイナ」(ニナ貝)と同じじゃないか、と映画を観たときから思ったが、どうもそうみたい(専門外ゆえよくはわからないが)。この貝はおいしかったなあ。それにいま思い出したが、子供のころは他にも釣りにいってそこで釣った魚が毎日そのまま刺身やてんぷらとして食卓に並んでいた。いまでは都会のこんなところでは人間以外の生命に触れる機会はあまりないが(といっても数年前までは狸が夜中に道を走っていたり家の庭にもタヌ?という感じでいたりしたこともあったが最近は見かけない)。そんな細部も楽しい映画である。あと主演の夏帆ちゃんは彼女はこのままいくと大変な女優になるかもしれない、と思った。


天然コケッコー [DVD]

天然コケッコー [DVD]


 ニイナが食べたいというのがこのエントリーの主目的かな? 笑。