ふぇえ、驚いた


 昨日、天気がよかったので高橋是清邸が見たくなったので小金井までドライブ。「江戸東京たてもの園」にいきました。高橋是清邸はさておき、ここで展示会があってそれが非常に面白くてここにレポート。

移りゆく くらしの歴史 〜いろりからDK(ダイニングキッチン)へ〜
http://www.tatemonoen.jp/special/200712/index.html


 公団住宅の間取りの再現や、子供のころにはまだ家の片隅で転がっていたような電気製品の数々(コードが布でカヴァーされてるのがいまだとかえっておしゃれにみえるw)など時間を忘れて眺めてしまいます。


その一角に1959年の『暮らしの手帖』の特集から東京のある一家族が毎月の家計が赤字ながらみんなで元気に暮らしている、という記事がありました。これが実に面白かった。家計の収支決算を細かく紹介してくれたり、父(作家、いまは忘れられて孫の相手とか)、長男(都立高校教諭)、その妻(わすれたけど確か保育園の先生?)、次男(アルバイト)、長男の子供三人、でくらした様子が描かれてました。長男は米国留学、東大卒ということで銀縁メガネで教壇に立つ姿がしぶい。全体的に知識階級(古い表現だが同誌の狙いはずばりこれでは)がワーキングプアだけど夢捨てずみんなで元気にいきてます、という感じでしょうか。


 父親は長男から小遣いをもらい映画を見るとか書かれていたり、インドネシア移住の夢のためにインドネシア語の勉強を長男夫婦がしてたり、または次男のアルバイトがどんなものだったか風俗研究でも参考になりました。で、父親は戦前は作家で十夢愛彦さんというそうなのでメモして家に帰ってから検索したら、驚いた。特にご長男の方のその後の人生行路に驚きました。この「くらしの歴史」のパネルの世界との印象の違いに驚くのでした。人に歴史あり。この驚きは展示会のパネルをみないとわからないと思うのでぜひ会期中に行ってください。そのあとに検索を推奨。


 そのほかに南守謙吾『家庭読物少年少女行儀作法』はぜひ復刻すべきですね。しかも新書でw いや、まじに売れる、絶対。


 さて遅刻しないように研究会に行こうw


(補遺)ところで展示パネルのひとつの疑問点は、この十夢さんの家族、十夢愛彦さんはネットの情報だと家業で古本屋を営んでいたようです。となると『暮らしの手帖』とそれをもとにしたこの展示会の説明だと、父の愛彦さんがいまは働いていない(子供の相手と借金撃退係という説明)なんですが、この記事の当時、古本屋の方はどうなっていたのか? という疑問です。古本屋の収入があればあのパネルはいくばくかの脚色を真にうけた展示になるし、または古本屋は当時やっていなかった(閉店中だった?)ならばそれはそれでいいんですが……などと思いました。