加護野忠男「企業統治と競争力」


 岩田規久男『そもそも株式会社とは』で言及されていた論説。伊丹敬之他編著『日本の企業システム第Ⅱ期第2巻企業とガバナンス』(有斐閣)収録。


 日本の競争力の源泉のひとつとしての企業統治の在り方。企業統治における日本の文化や歴史的な背景からうまれた長期コミットメント主義(同族企業の長期サバイバー化など)。短期の利益よりも長期の利益を重視。長期コミットメント主義は、株式所有構造の最近の変化(機関投資家へのシフト)により変化を求められているが、加護野氏は国際競争力を発揮する長期コミットメント主義を成立させるために株式所有構造も適応したものにするよう提案。具体的には従業員持ち株制度の拡充。


 従業員管理型企業の分析へと進む。