ジョン・グレイ『自由主義の二つの顔』


 訳者のひとり宮崎文彦さんからのいただき物。副題に「価値多元主義と共生の政治哲学」とある。この副題の前半は、田中の年来の愛読書である山田雄三が90歳代で出版した『価値多元時代と経済学』を想いだしました。感想は後刻にでも。

(追記) 読みにくい。本書でいっている価値多元主義自体は最近このブログでもこだわって書いているハーシュマンの「自己破壊」後の立ち位置(の田中的解釈)と共通するものがある。それは市場主義を離脱ー発言機構がお互いに補完しあう関係を許容するというものである。もちろん補完するどころか敵対する原理もまた〜りと共生しているというのが本書の立場かもしれない。稲葉さんの「ブログ解読」の過去の「痛い人」を生暖かく見るという視線に共通するものがあるかもしれない。どうでもいいが硬質すぎる。


 

自由主義の二つの顔―価値多元主義と共生の政治哲学 (シリーズ・現代思想と自由主義論)

自由主義の二つの顔―価値多元主義と共生の政治哲学 (シリーズ・現代思想と自由主義論)


 なお、山田雄三については下の城山三郎の評伝が面白いと思います。ただ塩野谷先生はこの山田像に反論してましたが(ご本人よりの伝聞)。