ベティ・ブープと草薙素子

 筒井康隆の『ベティ・ブープ伝』を読む。もちろんメトロン星人の赤いやつ関係で(笑。これはその昔立ち読みした記憶が。筒井作品は本当にひさしぶりに読む。最後に読んだのが『邪眼鳥』か『驚愕の荒野』だったか、いずれにせよ古い話ではある。この伝記自体は正直あまり面白くないと思った。たまにニヤリと笑う記述があるけれどもやはり延々とアニメの内容解説とあってはさすがの筒井氏のテクニックでもきついように思う。文庫の解説で、当時、大岡昇平がルイズ・ブルックスの評伝を書いたのも思い出した。懐かしい。


 さて増田本ではこのベティ・ブープと『攻殻機動隊』の草薙素子が作品内で善悪の相対化をしたことで、草薙がブープの後継であるという位置づけを増田氏は与えている。

 ところで例の山本弘氏の利権集団的発想の書評では、「似てねえ!(笑)草薙素子ベティ・ブープなんて、『ジャングル大帝』と『バンビ』以上に似てねえ!」と虚空に向けて叫んでいる。増田氏の上記の両方のキャラの性格的共通性に反駁したいのか、それともただ単に見かけが似ていないといいたいのか?

確かに見かけは似ていないことにはもろ手をあげて賛成する。


しかし見かけが問題ではなく、あくまでも作品における両者の性格付けを増田氏は問題にしているので、その点を反駁したいのなら、「似てねえ!」と叫ぶだけではまずいだろう。もっとも山本氏の増田本への突っ込みは「トンだトンチキ」に所詮依拠しているのでほとんどがその程度のものである。

 ところで山本論評は、たまに増田本のお勉強??のついでにここで突っ込む素材に使わせていただくことにしたい。その意味ではこの孤高?の赤い増田本のいい伴侶といえるだろう。 ぜひ『トンデモ本』シリーズに掲載していただき広く参照できるように便宜をお願いしたい次第。できればいいわけ加えず会誌そのまんま東状態でww