平井俊顕編著『市場社会論のケンブリッジ的展開』

 著者のおひとり小峯敦さん(ブログはこちらhttp://komine-gakushi.cocolog-nifty.com/blog/)にご本頂戴しました。どうもありがとうございます。小峯さんが「ラヴィントンー企業家の規範」を寄稿されています。ラヴィントンはマーシャルとケインズを結ぶ位置にいる重要な経済学者で、小峯さんによると「集団としての企業家」に経済・産業の先導者を期待し、その理論・規範を構築することを課題にしていたとのことです。

市場社会論のケンブリッジ的展開―共有性と多様性

市場社会論のケンブリッジ的展開―共有性と多様性

 本書は他に倫理学者ムーア、ロビンズ・サークルなどについての興味深い論説も収録されています。小峯さんといえば最近、店頭でみて驚いたのですが、ロビンズの自伝の翻訳にも参加されているようです。なぜ驚いたかといいますと夏休みにロビンズの清算主義の勉強をしようと思ってちょうど原書を図書館から借りていたところでした。翻訳はあればそちらを読む方が負担も少ないので助かります。

一経済学者の自伝 (自伝文庫)

一経済学者の自伝 (自伝文庫)

「民主党は日本銀行に雇用の安定を求めよ」

 ソフトバンククリエィティヴのメルマガ「週刊ビジスタニュース」に寄稿しました。民主党に絞りましたが、自民党についてはちょっと前に同じメルマガに書いたので、今回の記事中にリンクされてますから、あわせてお読みいただければ幸いです。民主党自民党も「日本銀行は政府から独立」というのを、完全に読み間違えているのか、無知なのかしりませんが、「日本銀行は政党からも独立」みたいに、景気対策の一翼にもかかわらず、議論の埒外におく態度には、はっきりいってあきれ果ててます。

 日本銀行の政策をどうにかする=雇用の安定を日本銀行の目的に加えるように日銀法を改正する、というぐらいの案がなければ、自分たちの提起するほとんどすべての経済政策がうまくいかずに、自分たちの政治的地位が終局、日本銀行の政策ミスに脅かされるというのに、ほんとうに合理的無知(日銀の政策を考えても票にならないから日銀について無知でいる)をきどって、ただの非合理的無知に堕しているのが日本の政党・政治家でしょうね。そんな感想を抱きながら書きました。本当に政権政党になるならば、財政政策だけでなく、金融政策についても日本銀行に政治的プレッシャーと交渉を挑まなくては、繰り返しますが自分たちの政策も効果がなく、やがて自分たちの政治的地位を守れないと思います。

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