『週刊新潮』の記事

 河合香織さんから『週刊新潮』に「国産ワインの原料は「8割が外国産」」という記事を書かれたというお知らせを受け取ったので、久しぶりに同誌を購入して一読しました。僕はもう10年以上もほとんどお酒を飲まなくなって(たぶん年に1,2回ぐらい)いるので、お酒に関する話題にはとんと疎いのですが、こういうワインの表示についての問題もあるんだなあ、と興味深く読みました。そういえば、最近、国産ワインについては以下の本が出てましたね。評判がよさそうなのでこれは読んでみようかなあ。ちょっと考えたんですが、経済学的にはこの国産ワイン問題も別な見方も可能かもしれませんね。もう少し考えたら飲み会(お酒は飲まないけど飲み会はしますw)の薀蓄用に仕込んでおこうかなあ 笑

完全「国産」主義

完全「国産」主義

 ところで話題は全然違うのですが、他の雑誌の記事をペラペラみていたのですが、ふつうの経済学者や良識ある人が読めば、大恥を公衆の面前でさらしているある人物のコメントを見つけましたが、そういうのへの解毒剤はすでにネットでも用意されているので加齢?にスルーということでw

「この問題は巨大なパイプ詰まり問題だ」

 いまでている『ニューズウィーク』日本版のマイケル・ハーシュ記者が書いたすぐれた論説「世界の未来はこの男の肩に」というバーナンキについての論説。バーナンキの青少年期からの経験(おじさんの経営するドラッグストアのコミック売り場にたむろする。彼はコミック大好き少年だった。つまりアメコミファン!)*1大恐慌研究から得た教訓、今回の金融危機に当たってのバーナンキへの批判の吟味、大恐慌を避けたことへの自負、ポールソン案を事実上後押ししたのがバーナンキ、資本注入案へのリーダシップ、グリーンスパンとは異なる市場への態度、などが細かく書かれていておススメ。

 特に日本のリフレ論争でも話題になった、不良債権はパイプの詰まりだからそれを物凄い水圧で吹き飛ばせ、という主張を、いま米国でバーナンキとそれに近い経済学者たちが考えていることがわかる次の引用はとても面白い。

引用
 :後は金融機関の融資再開を待つことになるが、バーナンキに言わせれば、金融システムへの公的資金の投入がまだ足りないかもしれない。「住宅と商業用不動産を合わせれば、不動産融資の貸出残高は14兆ドル台。7000億ドルは、その5%でしかない」とバーナンキはいう。この資金でできることはせいぜい「ある程度の流動性を生み出す」くらいだという。「この問題は巨大なパイプ詰まり問題だとみなして(バーナンキが)対処している」と、ニューヨーク大学のガトラーが言う。「イデオロギーの問題や、政治の問題とは考えていない」:

 昨日も書きましたが、すぐに「アメリカ文明とかドル基軸体制や資本主義や市場原理主義の終り」とみなすイデオロギー大好き議論にくらべると、やはり今回の問題は、実務的なものとして考えるべきだと思いますね。まあ、あたりまえなことでわざわざ強調するのもなんですが。なお引用にでてくるガトラーは、バーナンキとの共著があるマーク・ガトラーのこと。

*1:これで韓流ドラマ好きだったらと思ったが、テレビドラマは医療ドラマの『ハウス』がお好きとのことw