小島清『雁行型経済発展論』(第1巻)


 はじめて日本発といわれるこの不思議な「理論」を読む。モデル化のところは野口本の解釈と類似しているけれども、ともかくHOモデルを使って解説がしてある(この種の試みは小島氏以外はレアな試みという印象)。


 ということはHOモデルに吸収されてしまう性質のものなのか、というとどうもそうではないみたいだが、その差異がよくまだわからない。理論というよりも観察や実証からでてきた一種の「シェーマ」みたいなものがあって、これを「理論」とよんでしまい、この「理論」がHOモデルなどで説明できてもその「シェーマ」自体のオリジナリティ(?)は色あせない、という納得の構造なのかもしれない。


 理論タイプは構造変化モデルであるが、よくわからない部分があるけれども(主に僕が馴れてないせい)、著者の柔軟な書き手としての姿勢とともに結構楽しめて読める。今度はノートでもつくりながら読んでみたいと思ふ← そんなことより原稿かかんといかん(ーー;)


雁行型経済発展論〔第1巻〕

雁行型経済発展論〔第1巻〕

ストロベリーショートケイクス


 北川景子主演の『チェリーパイ』の隣に置いてあったので両方借りる。このウェット、定型、ぶつぎり、ゆるい時間 ベタなストーリー要素、とありとあらゆる日本映画のダメさの要因を詰め込んでいるにもかかわらず、それを流れるようにまとめあげたこの監督の構成力や演技陣の力技はすごいと思う。意外な拾い物というよりも今年みた邦画の中では屈指の作品。


 岩瀬塔子(魚喃キリコ)、中村優子の魅力は必見。

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