経済学史学会報告「マルクス、レーニンの切手とプロパガンダ」の報告要旨と参考文献

先週の学会での報告要旨と会場で配布した参考文献を以下に掲載。あと会場ではパワポ資料を大量に映しながらそれをもとに解説しましたが、それは省略。自分が実際に持っている切手やステーショナリー類だけで構成。ここらへんが収集と研究をクロスさせる個人的な楽しみでもあるし、また実物をちゃんとみての説得力ともなります。カタログや写真だけではわからないところはたくさんあるので。

 

報告要旨は以下のリンク先から

マルクスレーニンの切手とプロパガンダー杉原四郎没後10年を記念して」

https://jshet.net/wp-content/uploads/2019/02/2019_2_3_11_tanaka.pdf

 

参考文献Ⅰ
杉原四郎関係
杉原四郎(1975)『読書紀行』未来社
杉原四郎(1982)『読書燈籠』未来社
杉原四郎(1987)『読書颯々』未来社
杉原四郎(1992)『切手の思想家』未来社
杉原四郎(1999)『ミル・マルクス・エンゲルス』世界書院

著作・編著などに切手の画像を掲載したもの
マルクス経済学の形成』初版(未来社
マルクス経済学の形成』新版(未来社
マルクス経済学への道』(未来社
『思想の歴史 マルクス社会主義者』(河野健二編、平凡社
マルクス・エンゲルス文献抄』(未来社
『経済像の歴史と現代』(有斐閣選書)

人物切手部会会報『人物』に寄稿した文書(上記著作に収録のものは抜かす)。題名のあとの数字は号数、発行年月日、頁数の順。

「来日外国人切手の提案」109、1991,1.1、p.5
「これからの人物切手」110,1991.4.15,p.1
 マルクスレーニンエンゲルスエチオピアの革命広場からの肖像撤去にふれ、これらの人物切手が少なくなることを予想。寂しそう。
「「切手の思想家」のこと」118,1992.11.4,p.1-2
「人物切手・文化人切手・思想家の切手」(「未来」1992年12月1315号(未来社)から転載)119,1992,12.31
「カナダの人物切手」124,1994.1.1,p.2
「台湾の人物切手」124,1994.1.1,p.3
「北欧五か国の人物切手」126,1994.4.8,p.3
スウェーデンの人物切手」128,1994.11.22,p.2-3
マルクス主義関連のリーダーの切手は」133,1996.1.1,p.2
ノーベル賞記念切手」136,1997.1.1,p4-5
「浮谷敏夫「文学切手散歩」」138,1997.3.30,p.2
「生誕500年の記念切手」139,1997.10.3,p.8-9
幸田露伴について」142,1998.6.1,p.2
「1997年に出た世界の文化人切手」142,1998.2.15,p.2-3
キュリー夫人放射能「遺産」」146,1999.1.1,p.2
 ポルトガルの1998年キュリー夫人切手について
「オウエンとミル関係者の切手」149,1999,7.1,p2-3
 ギアナのフロイド切手(1997)についての言及。ギアナといえば商業主義第一で膨大な外貨獲得のための切手を出している。上記の著作『ミル マルクス エンゲルス』の巻頭にも画像が紹介されている。杉原の目配りのよさを示す一例。

「提案」149,1999,7.1,p.4
「「人物部会報」1号ー10号」150,2000.2.10,p.10
「マオの肖像」153,2000.12.10.p.2-3
退会の届け出168,2003,10.15 老齢で切手収集に困難
蝶切手についての短文をおそらく切手部会会報に寄稿されてるはずだが未調査(昔、複数頂戴したが紛失)。

参考文献Ⅱ
柏木博(2010)「未来の夢を描く産業プロパガンダ/産業広告」(加藤郁美編著『増補新版 切手帖とピンセット』国書刊行会所収)。
鈴木鴻一郎(1959)『「資本論」と日本』弘文堂
鈴木鴻一郎(1971)『資本論徧歴』日本評論社
田中秀臣・内藤陽介(2019)「切手で読む金王朝 北は統一を望んでいない」『WiLL』2019年6月号、162-171頁。
内藤陽介(1999)『マオの肖像』雄山閣出版
内藤陽介(2001)『北朝鮮事典』竹内書店新社
内藤陽介(2011)『事情のある国の切手ほど面白い』メディアファクトリー新書
内藤陽介(2019)『チェ・ゲバラキューバ革命』えにし書房
福島香織(2018)「マルクス像寄贈は中国のプロパガンダか? 独で議論「独裁の土台」「毒のある贈り物」」https://www.sankei.com/world/news/180504/wor1805040043-n1.html
脇村義太郎(1967)『趣味の価値』岩波新書
Rolf Hecker,Shunichi Kubo,Hans Huebne(2008)Gruess Gott! Da bin ich wieder!: Karl Marx in der Karikatur, Eulenspiegel Verlags Gmbh.
Kolchinsky, Alexander(2013)“Stalin on Stamps and other Philatelic Materials: Design, Propaganda, Politics”,The Carl Becker Paper No.2031.
Stoetzer, Carlos(1953) Postage stamps as propaganda, Public Affairs Press.

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田中秀臣の最新経済ニュース:「デタラメ経済論を宣伝する懲りない人たち」in Schoo(出演:田中秀臣&田原彩香)

月一の動く田中秀臣ですw。田原さんと今月は、MMTの解説と批判、中韓経済をみる視点、消費税と衆参W選挙についてなどを、今回はパワポ資料もふんだんにつかいながらお送りしました。こちらまでは無料枠でした。

 

そしてプレミアム枠は、「中野」について批判的にお届けしました。

 

次回もどうかよろしくお願いします! 番組は無料登録で生放送を視聴でき、そして質問などができます。

 

schoo.jp

 

ふたりで毎回の記念写真

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公共事業供給制約についてのメモ

 いまアイドル関係の依頼論文の準備をしてて、気が付いたが、公共事業の供給制約が、この一、二年明らかに緩和されてる。つまり民間の建築などの事業のリソースを公的な部門が食ってない。図でみると民間・公的両方がリソースを増やしてる。この点は長期停滞のときや、アベノミクス初期(2013年、14年)とは異なる印象。

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ただいまの僕の関心である建築活動指数だけをみると、供給制約は効いてるみたいだ。公的が低下すると民間も増える、公的が拡大すると民間は減る。

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アベノミクス初期のときの公共事業供給制約仮設については以下のエントリー参照。

tanakahidetomi.hatenablog.com

文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」6月4日火曜コメンテーター出演:天安門大虐殺30年、引きこもり問題、ニュージーランドと日本の民主党政権の悪夢時代の類似と違いなど

今日の放送は、天安門広場を中心とした30年前の中国共産党人民解放軍による市民への大虐殺問題や、また川崎での殺傷事件、練馬での殺人事件を契機にした引きこもり問題、さらにはニュージーランドの経済政策運営と日本の民主党政権期との類似と相違についてかなり深くそれぞれの問題を、寺島さんとともにお伝えしました。

 

本日のニュース解説メニュー
天安門事件きょう30年
GDP小幅上方修正か
○老後資金「2000万円不足」
○車燃費3割改善義務
○レジ袋有料 義務化
ドラクエウォーク 年内開始
○川崎事件から1週間

 

来週もまたよろしくお願いします!
今週の放送は以下から聴けます。
http://radiko.jp/#!/ts/QRR/20190604060000
また生放送はラジオの他、radikoでも聴けます
http://radiko.jp/#!/live/QRR

 

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論説「MMTは論理的に破綻…それを攻撃して消費増税強行に世論誘導する財務省は悪質」by田中秀臣in Biz Journal

MMTについてはじめてまとめて書いてみました。

MMT側からの具体的なモデル化がないので、MMT支持者とはいえない人たちの論説をベースにしてあります。

 

具体的には、

松尾匡

「反緊縮のマクロ経済政策諸理論とその総合」

http://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/il/meta_pub/G0000438repository_24346063-119-2-9

Menzie ChinnのMMT for the ADD

http://econbrowser.com/archives/2019/03/mmt-for-the-add

です。なお「雇用保障」での物価コントロールはノア・スミスの批判で十分だと思います。

ノア・スミス「現代金融理論 (MMT) を詳しく検討してみると」(2019年3月31日) — 経済学101

 

ぜひご一読ください!

biz-journal.jp

 

経済学史学会報告「マルクス、レーニンの切手とプロパガンダ―杉原四郎没後10年を記念して」in福岡大学

久しぶりに経済学史学会でシンポジウム枠ではなく、単独の報告をしました。

複数の質問で貨幣との関係を突っ込まれたのがためになりました。

討論、司会、質問頂いた先生方、出席頂いた皆様にも感謝。こういうニッチで未完成な発表ができるのが、経済学史学会の寛容なところで甘えさせて頂きました。ありがとうございました!

 

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