ご尊顔コラージュ雑感

 『週刊ダイヤモンド』の経済学特集号が本屋にあったので立ち読み。飯田泰之氏のご尊顔コラージュはやりすぎ感ありありで、この間会ったときでは、NHKブックスの帯のどでかい顔写真は「他の人もやってたので(不承不承)」というニュアンスだったが、どうもご本人の戦略みたいである。僕はそういうの某剛、某勝ほかの戦略と似ていて好きじゃないけどね。まあ、流行なのかな。え? ブログも同じだろうって? そりゃ、そうだ 爆。

 ただ経済学的にはこの種の自己宣伝は広告効果をもつから、その人の提供する発言・行動の質の高さのシグナルともいえる(顔バレしているのでへたな発言や行動がとれない)。その一方で、その発言や行動の「中味がなんであるか」までは広告は伝えない。たとえば、顔出し自己宣伝をいっぱいやる人が、トンデモ経済学を吹聴していることも十分ありえる。そのとき、自己宣伝がシグナルとしているのはせいぜい「トンデモ経済学の質の高さ」であろう。

 これは世界的に広告を展開しているファーストフードの提供するハンバーガーが世界中どこでも同じ品質を維持している反面で、それを上手いと思う人、不味いと思う人さまざまでありハンバーガーの味まで伝えないのと同じである。あるいはそのハンバーガーの原材料など中味までは伝えないのとも同じであろう。

 味や、いまは原材料などの評価などでも、ハンバーガーの経済的価値は判断される。尊顔コラージュ効果(ブログ効果もww)もまた同じであろうか? 

 『ダイヤモンド』の他の記事では、若田部さんの『資本主義と自由』の解説が一読の価値をもつ。誤ることの自由、という行動経済学(の援用がもたらすパターナリズム)との距離感は面白い指摘。