山本武利編『占領期雑誌資料体系』

 プランゲ文庫から大衆文化にかかわるところ(占領期のいろんな雑誌からの精選記事とそれの包括的解説つき)をまとめた二巻本。お小遣いをためて買いました 笑。この占領期のメディア研究については、僕はその昔、『沈黙と抵抗』の中で収録されている『夕刊京都』についての分析をやったことがありましたが、そのときはまだプランゲ文庫が利用しやすい形ではなかった。いまは利用しやすいようで隔世の感があります。10数年しかたってないのに。個人的には小野耕世氏の「民主主義革命と漫画」、平野共余子の「接吻映画はなにをもたらしたのか」が面白そう。

占領期雑誌資料大系 大衆文化編〈2〉デモクラシー旋風

占領期雑誌資料大系 大衆文化編〈2〉デモクラシー旋風

占領期雑誌資料大系 大衆文化編〈1〉虚脱からの目覚め

占領期雑誌資料大系 大衆文化編〈1〉虚脱からの目覚め

不況の中で増税に執心、次には不況対策棚上げで郵政民営化見直しにまい進?

 麻生首相の選挙向けの秋波だかなんだか意味が不明だが、郵政民営化事業の見直しの答弁。いったいどこまで不況対策をないがしろにして明後日の方向にまい進するのか? 本当に日本は大丈夫なんだろうか? 郵政民営化で事業の将来は薔薇色みたいなかっての暗黒卿の路線に僕は否定的だったが、いまや郵政事業の見直しなど、真剣に時間を割く必要さえもない(数年前に民営化がどうでもいい話題だったのと大して変わらない)。よくはわからないけれども例のオリックス不動産への売却話ご破算もこの一連の見直し路線の露払いなわけなのかな? そうだとしたら本当に茶番で迷惑な話。

 ところで『セイビング・キャピタリズム』の仮説が、こういう話とかみると、既得権者(天下り固執して暗黒卿に報復したい財務官僚とか、郵政民営化反対の既得権者たち)たちが、不況をバネにして、市場の成果を否定し、規制を求めることで、なんと労働者の一部(経済的な困窮にある人たち≒失業者)と同盟を築いていく、というシナリオが本当に信憑性をましてきたなあ、と思う。なんといってもいまは無責任なほど「市場原理主義」批判が加速化しているから。

 不況の深刻さの中で、消費税増税高齢者層への秋波)、郵政民営化の見直し(郵政関連の既得権益者への秋波)など、まさに次々と不況対策とはまったく無縁な政府のムダ遣いが暴走する悪寒。こういうのを若い頃みていた盛るトン・フリードマンが、大恐慌を経過してムダの多い政府になった、といったのもわかる気がする。つまり不況対策自身がムダではなく、実際に後々までムダになるのは不況対策とは無縁なこういう規制だとか市場へのただ乗り(増税して自分たちのスリム化はスルー)みたいなものが増えてくることなんだと思う。

セイヴィング キャピタリズム

セイヴィング キャピタリズム