勝間和代『やせる!』

 御本頂戴しました。ありがとうございます。僕が読んだ勝間さんの本の中で最も“難しい”本でした(笑)。「やせる」(本書では都市型の生活を改める、あるいは欧米風の食生活を改めるとも主張されてます)ための理論と実践が非常に具体的に書かれてるのですが、僕にできるのかどうか、そこが読み手としての最大の関心事ですね。

 ダイエットの理論的な主軸は、

 健康=栄養素/摂取カロリー

 の方程式で表される、「微量栄養素主義」です。効率よく栄養をとることで、健康に繋がるという一種の経済的な法則だと思います。目的=健康、手段=ダイエット ということで、ままありがちなダイエット自体が自己目的化し、栄養の欠けた食生活に陥らないように、本書は警鐘を鳴らしています。

 原理論はだいたいわかるのですが、毎度、最大のハードルは毎日の実践ですね。なんといっても「規則的な生活」を維持するというのが、なかなか難しい。自炊中心で、「まごはやさしい」をテーマに食生活を構築するノウハウはとても具体的でわかりやすく、たぶん僕も実践できる気はしますが…。

 僕もダイエットの経験中で、毎度悩むのが、「規則的な生活」ができないという時間の壁と、「安上がりの食生活」が難しいという予算面の壁があることです。これは単に食生活の改変や持続的な運動の必要だけではなく、自分の社会・経済的生活のすべてを見直すことに直結してきます。それが可能かどうか。ダイエットはかなり奢侈的消費(ヴェブレンのいってた見せびらかし消費でもある)だということにあらためて気が付く次第です。

 もちろん本書でもこの両面については詳細に対抗策が書かれていますが、やはりこの「見せびらかしの消費」というハードルをどう越えていくか、本書をもとに試行錯誤してみたいと思います。そのうち結果をTwitterでつぶやければいいですが(どうしてもダイエット関係は懐疑的な口調になります 笑)。

やせる! (光文社新書)

やせる! (光文社新書)

ダイエットはヴェブレンの見せびらかしの消費そのものである、と書きましたが、ヴェブレンの本は以下に。

有閑階級の理論―制度の進化に関する経済学的研究 (ちくま学芸文庫)

有閑階級の理論―制度の進化に関する経済学的研究 (ちくま学芸文庫)

ホドロフスキー&ヒメナス『メタ・バロン一族』下巻

 上巻につづき、ホドロフスキーとヒメナスの奇想と奇画の組み合わせが炸裂している本編。そんなにしらみが好きなのか? とかそのトラウマを探りたい気もしますが(笑。メカと人間の肉弾戦?も本作のモチーフにあるんでしょうか? わかりません(笑。

 途中なんどかあまりの奇想に爆笑しながら読めました。結末近くのどんでん返し??も意表を突きますねえ。頂いてから時間が経過してしまいましたが、味わいながら時間をかけて読むコミックです。

メタ・バロンの一族 下 (ShoPro Books)

メタ・バロンの一族 下 (ShoPro Books)