マクロン大統領就任100日直前で支持率急減は、緊縮病のせい。日本の「石破茂首相待望論」とも重なる現象か?

エマニュエル・マクロン仏大統領の支持率が急減しているという時事通信や英エコノミスト誌の話題。

仏国民の「気持ち冷めた」、マクロン大統領就任100日直前
http://a.msn.com/01/ja-jp/AAq8cKH?ocid=st

ただマクロン氏の大統領選前後の政策的発言をみれば、十分に緊縮策を採用することは予期できたはずである。

このブログでも以下の記事で、マクロン氏の経済思想がドイツ的なオルド自由主義と類似したものだと指摘していた。

ドイツの罠とフランスの経済
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20170730#p1

この十分予期できたマクロン氏の緊縮主義への傾向にも関わらず、フランス国民は熱狂的に支持し、いまはその熱がさめているという。これでは、フランス国民自体の無責任・無知を放任する態度として批判されても仕方がないだろう。あるいはマスコミの報道によって煽られてしまい、そのような熱狂と冷却のゲームの中に国民が放り込まれてしまったともいえる。

これはフランスだけではなく、日本もまた他人事ではない。

例えば、最近、テレビや新聞などで次期首相候補ナンバーワンとして祭り上げられているのは、石破茂氏である。彼の主張もまたマクロン氏と同様の緊縮主義である。金融緩和政策には否定的で、また消費増税論者でもある。

景気が悪くなれば日本でもおおよそ政権はその支持を失う。いままでの歴代政権で景気のコントロールに成功した政権のみが長期化している。ただし政権誕生時の熱狂はもちろん別物である。たとえ本人が景気を冷却させる「名人」だとしても、マスコミなどが煽るためにその熱狂の中で国民は判断を失いかねない。

いまの石破氏の小ブレイクの中にも似たものを感じる。冷静に彼の政策の本旨を読み取るべきだろう。

参考
論説「「消費増税、反アベノミクス石破茂の総理への野望を阻止せよ!」by田中秀臣in iRONNA
http://ironna.jp/article/7084