文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」12月10日火曜コメンテーター出演:米中貿易摩擦関税発動、GDP上方修正など

本日もお聴きいただきありがとうございました!

大人の事情とかで最後のコーナーが意味もなく充実していましたw

また来週もお聴きください!

 

本日のニュース解説メニュー
○GDP7~9月大幅上方修正
○AI・5G促進 1兆円
○復興費 5年一兆円台に急減
○米中貿易摩擦 15日に関税発動
東京五輪 ロシア排除
○あいちトリエンナーレ負担金検証

 

今週の放送は以下から聴けます。
http://radiko.jp/#!/ts/QRR/20191210060000
また生放送はラジオの他、radikoでも聴けます
http://radiko.jp/#!/live/QRR

 

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宇佐蔵べにとavandonedそして仲間たち(APOKALIPPPS、カイ)の恵まれた一夜

高円寺Highでの宇佐蔵べに生誕祭ライブ。ちょうど一月半ほど前、宇佐蔵べにがメンバーで、またプロデュースも兼ねるアイドルグループavandonedの名称改変後はじめてのワンマンライブが行われた場所でもある。ワンマンライブ同様に満員といっていい観客の多さ、特に若い観客が目立つ。僕の隣では20代の女性客ふたりが、宇佐蔵べにのパフォーマンスが躍動するたびに、ふたりで体を寄せ合い歓喜していた。

 

avandonedがあヴぁんだんどの時代から、彼女(たち)を見てきたが、特につるうちはなの楽曲を得てから強く打ち出されている「女の子である歓喜」とでもいう祝福されたステージングがライブ会場全体を飲み込んでいる。

 

ワンマンライブのときには宇佐蔵べにの天才的な振り付けとそれをアシストした名振付師の竹森徳芳によって、ほぼ完成された様式美とでもいうものを展開して、僕はとても感銘した。今回の生誕祭ライブは、メンバーの一時休止と新メンバーの加入とがまもない中で、さらに前回のワンマンまでいた“頼りになる助っ人”ゑりかちゃんべいびーが抜けていたため、五人体制になってまもない中での全力のパフォーマンスだったと思う。そこにはまだ十分に華やかになれる要素が見え隠れし、楽しみが募る。

 

五人のメンバーを紹介しよう。

宇佐蔵べには、20歳ながら(本当の誕生日は12月12日)、おそらく現在の日本のライブアイドルの歴史を物語ることのできるキーパーソンのひとりになっている。音楽だけではなく、思想的・社会学的な考察の対象としても興味深い人だと思う。

真戸しずくは、今日も生誕祭のファンからの壊れやすいバースデーケーキを舞台から慎重に運び出した。おそらく他のメンバーだと、その崩れやすいケーキを持ち出すことは難しかったろう。それはそのまま彼女のキャラクターを物語るのではないか。落ち着いた人間性と、知的なニュアンスが彼女の特性である。

出雲 にっきは、初めてみたときは、はにかんだその雰囲気が新鮮だったが、いまではメンバーの中でも静かに爆弾を抱えていそうで注目している。もちろんその静かな爆弾はいい意味で使っているのだ、感性の爆発を期待したい。彼女たちの楽曲にある「爆発するロマンス」そのものとして。出雲はおそらく初期のあヴぁんだんどに繋がる。

清水 まな はこのグループの中で相対的にアイドルらしいアイドルとして基盤を築いている。デビューしたときの印象とはまったく違う成長がある。そしてダンスのちょっとしたモーションにそのアイドルらしさ、それも艶のようなものを感じる。この展開は当初予想していなかっただけにまだまだ魅力が増すのではないか。

音々 ひるね は、まだこのグループに加入して二週間。僕も初めてライブはみた。しかしどうだろうか。彼女は他のメンバーとそん色なくステージングをこなしている。その努力とまた支えるメンバーたちの和にも感銘した。どんなヤバい、いや面白いアイドルなるのだろうか。

いまは休止している犬飼はるを見ることができず残念だったが、また戻ってくることを期待したい。

 

宇佐蔵べにの仲間たちのライブも面白かった。やはりAPOKALIPPPSは楽曲がとてもいいし、全員がおしゃれで現代のアイドルのひとつの造形を確実に示している。このグループを語るには文字数のバランスが狂いそうなのであえて抑制するが、やはりぱいぱいでか美は最高である。またカイの「秘密の扉」は極めていい。ちょうど数日前に、カイ、宇佐蔵べに、石川浩司のグループえんがわの一年半ぶりのライブをみたばかりで、三人の「さよなら人類」に人類絶滅的な終末観と同時に未来への期待をみ、またニューアルバムを本日だしたカイの登場はその意味でも絶好のタイミングだった。

 

宇佐蔵べにのことをこれを読むあなたは知らないかもしれない。しかしそれは時代を知る上での損失である。そのことを再度確信させるライブだった。ファンと仲間たちに恵まれた一夜を。

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参照

あヴぁんだんど、「見捨てられたアイドル」の祝福された一夜 – REAL-JAPAN.ORG

“見捨てられた少女たち”が聖母マリアになった日(あヴぁんだんど、見納めワンマンライブ) | hidetomitanakaのブログ

www.youtube.com

 

 

 

消費増税は前回以上の衝撃か、マッチポンプではない対策を急げ

消費増税前では、政府側は「消費税の駆け込み需要はあまりなく、それゆえ反動減も少ないのではないか」という楽観的なものだった。むしろ世界経済の不安定度が高まり、すでに景気が下降していて、消費に力強さがないところで増税するため、駆け込み需要自体が起こりずらいのではないか、という悲観もあった。

 

消費支出の対前年同月実質増減率の推移(二人以上の世帯)でみると消費支出は増税前は9.5%増で、10月はマイナス5.1%に落ち込みだった。つまり前回ほどではないが駆け込み需要があり、さらに前回とほぼ同じだけ反動減があったということだ。

 

しかしこの対前年比だけを比較してももちろんダメだろう。まず前回に比べて税率の引き上げが少ないにも関わらず消費税の反動減が同じだったことだ。これは増税前から指摘してきたが、消費の先行きへの悲観の度合いが、前回の引き上げ時とは比べ物にならない状態で消費増税を実施したことの影響がでているのだろう。

またさらに政府は軽減税率、ポイント還元など消費増税対策のシフトを採用してもこの結果だった。これは想像以上のマイナスのショックが起きたということだろう。

以下の図は統計局から。

 

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当たり前だが、景気の下降局面で、従来から日本経済に打撃を与えることが経験上明白な増税をすれば、少なくとも消費に直撃することは言をまたず明瞭である。そして政府は今回もマッチポンプ的な財政支出を構築しようとしている。これはしないよりするほうが格段にいい。だが、本来はこの積極的な財政政策は少なくとも年度初めには行うべき規模のものだった。なんにせよ、デフレを脱していなかったからだ。だが政府の景気予測はいまも楽観的な状態のままでそれが冒頭の発言のベースにもなり積極的なアクションを逃してしまった。

 

おさらいで昨日のスクーでも話した現在の経済の見通しを一枚のスライドにしてみた。

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金融政策は積極的緩和姿勢である。名目金利だけに注目するのではなく、実質金利コントロールに注目すべきだ。そしてこの観点から財政政策を積極的にサポートできる。もちろんまだ緩和の余地があるのでその方向も模索すべきだ。

 

あくまで現状の金融緩和の範囲で、原田泰日銀審議委員が以下のように発言したらしい。それはいまの緩和の枠組みの中であるならば妥当である。

原田日銀委員、政府が経済対策でも日銀は追加緩和考える必要ない - Bloomberg

なんとなくこの記事の見出しだと日銀は「なにもしない」という印象さえ与えるが、実際はいまの金融緩和のスキームで今回の補正予算をバックアップするのに十分であることをいっているにすぎない。

 そしてここを強調したいが、要するにいまの金融緩和で事足りるほど、財政政策が実はそんなに大きな規模をもっていず、ましてや上記のパワポ掲示した1)と2)の中長期的な効果を打ち消すには十分ではない可能性が大きいのである。政府と日銀がより協調的な政策を行うことをしなければ、最悪、政策のマッチポンプが繰り返されるだろう。それは政策の効果(経済主体への期待への働きかけ)を毀損してしまうリスクを高める。

田中秀臣最新経済ニュースin Schoo「アナ雪、貧困、補正予算、リブラ、あいトレ」12月5日

毎月一回の動画番組でした。

今回はアナと雪の女王の経済学から入り、ホームレスと雇用、高年齢問題、そしていま議論されている補正予算の評価、そしてリブラについて深堀しました。

 

初めてデジタル通貨リブラについて話した。ビットコインと違う側面(資産の裏付け、通貨バスケットとの連動など)が強調されてるが、むしろ弱点にもなる。昨日は、投機アタック、各国マクロ経済状況とリブラの不幸な関係、実現できても制約厳しい「通貨」となる可能性について話しました。

 

あとschooで掲示したパワポを別エントリーで短い解説とともにあとで書きます。

 

次回はなんと1月2日。正月から稼働しますww

田中秀臣の最新経済ニュース

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ケインズ学会「MMTシンポジウム」簡単な感想(MMTの問題の核心は雇用最大化、物価安定に失敗すること)、JGPはMMTの問題の本質ではない(おまけの話題だ)など

ケインズ学会の初日はMMT関係のシンポジウムがあって、司会は浅田統一郎さん、報告者は野口旭さん、松尾匡さん、内藤敦之さんだった。

 

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野口旭、松尾匡、そして意外だったが内藤敦之さんら、もちろん司会の浅田統一郎さんまでみんな似た観点でMMTを批判した。欧米の経済学者も共通していて、要するに雇用最大化や物価安定に使えない、むしろ時代遅れの産物。これに対してMMTは「オレは世界一」とやるのでカルト化しますわな。

 

ケインズ学会でのMMTシンポでは、MMTに登壇者すべてが批判的だったが、その核心は名目金利一定で財政政策でコントロールするというMMTの政策は、時代遅れ、雇用の最大化、物価の安定に失敗するリスクが高いこと。リフレ勢は一様に期待経路の無視を問題視。質問した僕ももちろん。

 

野口旭さんは報道によると自民党の議員たちの前で講演したそう。

自民党が「MMT勉強会」、出席者から賛否両論 - ロイター

これに対して安藤裕議員が以下のように呟いてた。

 ちゃんと理解してないで断片的理解の典型。名目利子率固定の財政支出での完全雇用達成が不安定(裏面での物価水準コントロール不可能)が野口さんの報告の肝。結果、赤字垂れ流し、インフレ制御不能のリスク高まる。ちゃんと聞いてない証拠ですよ。簡単な話題、と僕は引用ツイートしました。

 

なおJGP(雇用保証プログラム)を重視する人たちが肯定派にも批判的な人にも多いですが、上記のシンポジウムでは、それはMMTの本質とはいえないというのが論者たち(野口、松尾)のおおむねの指摘でした。MMTで受動的金融政策と組み合わさった財政政策の不能の方がよほど深刻ですね。ただJGPに注目するとさらにMMTの党派性が際立っていて社会主義的なニュアンスが強くなることはいえます。それをどう評価するかは政治的な立ち位置の話で個人的には興味ありませんね。

 

なお現状の日本経済に財政赤字を気にせずに財政出動をせよ、というのはMMTでなくても彼らのいう「主流派」であるニューケインジアンの多くでもいえることですので、いちいちMMTのようにやれ、というのも理解ができない、党派根性まるだしの反知性主義の人たちの物言いでしょうね。というか不況のときに景気対策しろって高校の教科書にもかいてありますw。MMTの成果でも独創でもまったくありませんw