ヴィクトル・ユーゴーの小説『レ・ミゼラブル』からモチーフをとり、小説の主要地のひとつであるパリ郊外のモンフェルメイユで起きた複数の地元の裏の有力者たちと、警察、そして子供たちの過激化の物語。
子供たちが過激化したのは、映画の中で引用されたユーゴ―の言葉、「世の中には悪い草も悪い人間もいない。ただ育てるものが悪いだけなんだ」が示されている通りである。
テンポのいい作品構成であり、わずか二日間の出来事の中に、現代社会の経済的・宗教的・世代的な分断や人種的偏見の問題性を鮮やかに描いている。