映画『娘は戦場で生まれた』

シリアのアレッポをめぐり2011年から16年までの反政府運動の盛り上がりから、その都市の反政府側の浸透、反政府組織の複雑化、さらに政府軍とロシア軍による容赦ない都市攻囲戦、反政府軍の壊滅までを、医師とジャーナリスト(本作の監督)のカップルとその子供を中心に描いているドキュメンタリー。都市での現代の戦闘をこれだけリアルに記録した作品はほとんど見たことがない。過酷な生と死の描写に語る言葉を失ってしまう。本作の評価は政治的な立ち位置で変わるのかもしれないが、それでもこの緊迫感が示唆するものは重い。

 

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