宮崎哲弥・藤井聡・中島岳志・松尾匡「思想の転換点 第一回」『クライテリオン』

『クライテリオン』といえば、最近では、本家MMT側から「絶縁」を突き付けられた雑誌という印象と、僕には絶対に依頼がきそうもない雑誌として記憶してます 笑。

 

それはさておき、初めてご恵贈頂戴しましたが、特集のMMTはほとんど参考にならず、他方で目玉の宮崎さんらの座談会は80年代以降の思想状況を90年代終わりくらいまで、時に西部邁への言及を交えながら面白くすすんでいきます。特にたまにアクセルがはいる宮崎さんが面白い。最後の日本の生命主義を掘り出すところや、バルトの『表徴の帝国』での皇居という「空虚」の場という指摘などからの日本の近代保守主義の核心に言及するあたりは、他の人たちを寄せ付けない怒涛の展開です。ちなみにこのバルトの天皇論は、20年近く前に猪瀬直樹さん、宮崎さん、内藤陽介さん、僕の四人で座談会をしたときにも出てきました。

 

次回も楽しみにしたいと思います。しかし本家MMTにクライテリオンが「絶縁」させられるのって、本当にむこうのMMTは党派性強いんですね。まあ、僕には関係ないですがw。

 

表現者クライテリオン 2019年 09 月号 [雑誌]

表現者クライテリオン 2019年 09 月号 [雑誌]