一海知義先生

 日本の代表的な漢文学者だった一海知義先生のお別れの会が本日行われた。残念ながらどうしてもはずせない仕事があったため神戸にお伺いすることができなかった。

 先生が漢文学以外に深く研究された課題に、河上肇の業績があった。河上肇はなによりも「文人」であった。文人を深く研究したもうひとりの文人一海先生の学恩に感謝申し上げたい。

 先生の河上肇研究で、私が影響を受けたものは、なによりも『河上肇詩注』と『河上肇そして中国』の二冊であった。特に前者はいまも時にふれて参照している得難い研究である。

一海先生とはまた河上肇賞で大変にお世話になった。河上肇賞もそして河上肇を顕彰する東京河上会も、今後も一海先生からの学恩を顧みながら、できるだけ頑張っていきたいと思う。