自民党=財務省憲法改正案雑感(財政健全性条項で日本は破綻する)

 自民党憲法改正草案の第83条第2項「財政の健全性の確保」
 https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf

 この一見するともっともらしい条項は最悪の帰結をもたらす。以下にはtwitterでつぶやいたことを。

 憲法9条や憲法の改正手続きだけの「改正」論者の多くが無視しているか気が付いてないのが、実際にこの20年近く日本を停滞させ、安全保障レベルさえも脅かし、また多くの国民を実際に殺してきたのが、この財務省とその代理人たる議員たちが主導している財政規律主義。これだけで改正方針など亡国もの=国民の生活と未来を危機に陥れる。

 憲法改正というイデオロギーにこだわる前に、実際に日本の停滞を20年継続させてきた元凶(古い日銀=債券村、それとタッグくんだ財務省の財政規律主義)が、日本の経済を鈍化させることで、自衛力を低下させ(20年で実質半減)、日本の安全保障に大ダメージを与えてきたことを無視すべきではない。

 20年で実質半減の意味は、先進国並みの成長率3%程度が20年維持されていれば、マジックナンバー69を3で割るとだいたい23年でGDPは倍増。その1%枠の防衛費もほぼ倍増したはず。しかし実際には名目GDPではこの20年ゼロ%成長(アベノミクス期間は抜かす)。防衛費が国民の多くが合意し、国際的にも無問題とされていたであろう水準よりも半減しているのがいまの事実。

 憲法改正で国論を二分化し、さらに改正したとして、この種の悪質な連中の常套手段(&世論の多くの無関心)から財政規律条項も付加される可能性は大きい。財務省とその代理人の政治家たちの能力を過小評価してはだめだ。この20年間、日本を事実上の食い物にしてきた連中。ものすごい能力だと思う。

 そうなると国論分裂し、さらに経済停滞継続して、安全保障も緊縮でダメ。バカだけが憲法改正に無邪気になれる。官僚は責任とらない。戦前の再現だ。イデオロギー対立が問題なのではない、ただ単にごく少数で名前までわかるようなレベルの一部官僚の精神が問題なだけ。憲法改正でこの問題はむしろ悪化する。

 ちなみに財務省とその代理人国会議員たちの財政健全化政策がどんな帰結をもたらすのかを、各国比較などでとりあげた本があるので以下に。

経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策

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