株価と長期利子率の「自然」と「官製」を巡る考察

twitterに書いたものを以下にペーストしただけ。

「自然」な長期金利が、例えば(長期)総供給と総需要が一致する水準だとすれば、日本は長いこと、マイナスの長期実質金利を「要求」していたともいえる。別段、いまの長期金利が「不自然」というわけでもない。市場の自律的調整で、マイナスの長期実質金利が実現できないとき「官製」になるのは無問題。

(長期)総供給>総需要→総需要不足がほぼ恒常的に存在する市場の失敗→(長期)実質金利がマイナスになることを「要求」しているが、市場の自律的機能ではできない→「官製」になる、つまり政府・日銀の介入は効率性を高めるためには当然の措置。「不自然」なのは最初の不均衡を放置すること。

つまり「自然」の長期利子率というのがなんらかの資源配分の効率性がみたされている状況であるならば、マイナスの長期実質利子率を「要求」している状況がいまの日本であり、それが達成できない状況(=市場の失敗)を正すのは、政府・日銀の役割であり、それは「自然」な状態を実現するということ。

次に金融政策によって株価が「官製」市場になり、「自然」な株価がわからなくなる、という批判も誤解。同じように考える。いま投資と貯蓄が不均衡な状態(市場の自律的な調整では均衡できない…不自然な状態)だとする。「自然」な状態、すなわち均衡させるには、やはりマイナスの実質金利が「要求」。

マイナスの実質金利(反面での予想インフレ率の上昇)→貨幣・国債保有から株式投資へ→株価上昇 →トービンのQが1を超える状況(=企業の金融的価値の増加)→投資増加→最初の「不自然」な不均衡状態の解消=「自然」な状況へ。つまり株価の場合も先の長期利子率のように現状の方が「自然」。

株式市場に関して、いま書いたものとは違った視点でも「官製」なのかどうかをみていくことも興味あること。片岡剛士さんが「ザ・ボイス」で以下のようなことをいっていたらしい。「官製相場という人はデータを見ずにイメージで批判している」「株価を押し上げている大きなプレイヤーは外国人投資家」。

例えばデータとしては、2014年はhttp://www.tse.or.jp/market/data/setor/b7gje6000000jkrj-att/cb_y14.pdf… 2013年はhttp://www.tse.or.jp/market/data/setor/b7gje6000000jkrj-att/J_cb_y13.pdf… などを見るのかな。あとでラジオの録音聴いておくかな。ちなみにGPIFが「官製市場」だとか「不自然な株価形成」だとかしているからその存在が否定されるべき(逆に肯定されるべき)だとは思ってない。匿名のおバカさんたちがこだわってるが 笑
僕がGPIFが基本的におかしいと思っている理由は、http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi20150303#p1…と同じ。