グラント・モリソン作『バットマン:R.I.P』『バットマン・アンド・サン』『バットマン:ラーズ・アル・グールの復活』『バットマン:ブラックグローブ』

 モリソンという人はバットマンシリーズをその起源(バットマンの父親の歴史も含めて)から大胆に再構成し、それを現代の読者に一望できる「神話」体系として提示している。映画でのバットマンシリーズ(『ダークナイト』など)と並ぶ、バットマン暗黒神話の中に、本書の翻訳者高木亮氏の言葉を借りれば「点つなぎパズル」的な大胆な飛躍を駆使して、いっきに読者をその世界に巻き込んでいく。この四冊のうち、最後のR.I.Pと最初の&サンが特に面白い。バットマンが子作りしてその子どもが…という展開がいい。

 この四作は続く第二部をまって完結されるシリーズの前半部分である。はやく第二部を読みたい。英語でもいいけどやはり本書のように読みやすい日本語の方がらくだもの 笑。

バットマン・アンド・サン

バットマン・アンド・サン

バットマン:ブラックグローブ (ShoPro Books)

バットマン:ブラックグローブ (ShoPro Books)

バットマン:ラーズ・アル・グールの復活

バットマン:ラーズ・アル・グールの復活