サラ・ヴァン・ゲルダー+『YES!Magazine』編集部編『99%の反乱 ウォール街占拠運動のとらえ方』

 訳者の山形浩生さんから頂戴する。どうもありがとうございました。ウォール街占拠運動がどのような背景で生じたか(それは特に山形さんの解説に詳しい)、また運動自体がどのように始まりそして拡大していったのか(冒頭の3つの論説が詳しい)、そしてどのような思想的経済的な背景を伴いまた進化していったのか(ナオミ・クラインやディビッド・コーデンの論説に詳しい)が薄い本の中に凝縮されていて、ぼくにはかなりわかりやすかった。

 山形さんがウォール街は変化せざるをえない、より民主的な方向へ、と解説で書いている。また日本でもこの運動は無縁ではないだろう、という指摘は正しいのかもしれない。ただいまの日本の事実上の「官報複合体」と財務省日本銀行の複合体への批判的運動が起きるとなるとそれは定かではない。

99%の反乱?ウォール街占拠運動のとらえ方?

99%の反乱?ウォール街占拠運動のとらえ方?

いくつか本書から気になる資料の提示があったので備忘録として以下に。山形さんが政府とFRBAIGやリーマンへの救済の際の恣意性を指摘していたくだりで出てくる二本の映画。

『Too Big to fail』はyoutubeに冒頭の長めの映像が。http://www.youtube.com/watch?v=wVV6dzDOgQ0

あと金融の民主的統制についてのロバート・シラーの新作はまもなく公刊。

Finance and the Good Society

Finance and the Good Society