近刊予告『3.11の未来ー日本・SF・想像力ー』

 今週の金曜日26日に発売になります。小松左京氏の遺作を収録し、今般の東日本大震災がどのように日本の社会、想像力、そしてSFに影響を及ぼすのかを、多彩な論者たちが独特の論を展開した重厚な一冊です。すでに本書収録の多くの論説を読んでいるのでいえますが、やはり経済学者やエコノミストだけが集まったものとはまったく異なる視点があった本当に刺激的ですね。しかも以下の面子は、僕がまだ中学高校のころからファンだったり、憧憬のまなざしを向けてた人たちが参加されていて、個人的に有意義な経験ができた作業となりました。いまから待ち遠しいですね。アマゾンでも書影が出ています。

 小松 左京 (著), 豊田 有恒 (著), 押井 守 (著), 山田 正紀 (著), 森下 一仁 (著), スーザン ネイピア (著), 長谷 敏司 (著), 八代 嘉美 (著), 野尻 抱介 (著), 桜坂 洋 (著), 大原 まり子 (著), 新城 カズマ (著), 谷 甲州 (著), 瀬名 秀明 (著), 小谷 真理 (著), 仲正 昌樹 (著), 田中 秀臣 (著), 新井 素子 (著), 笠井 潔 (監修), 巽 孝之 (監修)

 ちょっとこの機会なのでラブレターを(笑)。小松左京氏の作品のベスト3は、僕は『果しなき流れの果に』『見知らぬ明日』『ゴルディアスの結び目』でしょうか。山田正紀さんの作品では『神狩り』『弥勒戦争』。新城カズマさんの作品では『サマータイム・トラベラー』に感動しました。瀬名秀明さんの『パラサイト・イヴ』は僕は自分の専門論文にも引用しました。小谷真理さんの『聖母エヴァンゲリオン』には正直驚きました、エヴァ論の中では最も素晴らしい。仲正昌樹さんの一連の論評は面白いのですが、このブログでも称賛したネット本が特にいいですね。新井素子さんは高校のときに読んだ『奇想天外』のデビュー作がやはり鮮烈でした。笠井潔さんのは矢吹カケルシリーズですね、なんといっても。特に『哲学者の密室』と『サマーアポカリプス』は大好きです。そして巽孝之さんの論評も好きで、特に『日本SF論争史』には助けられました。