リチャード・クーのバランスシート不況論再批判

 「再批判」といってもほとんど以下のエントリーに書いてあること通りで、実はクー氏の最新作『世界同時バランスシート不況』(元日本銀行の村山昇作氏との共著)などをまだ読んでません。

ポール・クルーグマンリチャード・クー批判
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20100818#p2
リチャード・クー氏への返答
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080724#p3

 ところでクルーグマンがニューヨーク連銀のエコノミストのエガットソンと「フィッシャー、ミンスキー、クーモデル」とでもいうべきものを書いています。

Debt, Deleveraging, and the Liquidity Trap
http://www.newyorkfed.org/research/economists/eggertsson/papers.html

 見つけたばかりで要旨しか読んでないのですが、彼らの解釈は、僕がクー氏に指摘した「クーのバランスシート不況は、フィッシャーらの負債デフレ論と同じ」と類似の解釈ですね。クー氏はその僕の解釈に反論して自らの理論のオリジナリティを主張しました。それには僕はそれはオリジナリティよりもむしろ間違いか不鮮明かのいずれかである、という反論をしました。上の各々のエントリーとそこで参照されている田中とクー氏それぞれの著作もご覧ください。

世界同時バランスシート不況―金融資本主義に未来はあるか

世界同時バランスシート不況―金融資本主義に未来はあるか