ウィリアム・J・バーバー『グンナー・ミュルダール ある知識人の生涯』

 「経済学者の偉大な思想家たち」シリーズの第一弾。若田部昌澄さんと僕の監修でお送りするシリーズです。この第一弾の訳者は藤田菜々子さんで、日本のミュルダール研究の第一人者です。また藤田さんは制度経済学の視点から資本主義の多様性についても著作や訳書を多く持っています。まさに適任者の手になる訳書、そして便利な解説もついています。

 以下、僕と若田部さんの推薦文を下に。

「本書は、偉大な経済学者の評伝というだけではなく、現代日本も抱える課題ー不況における金融政策のあり方、人口問題、経済的格差、差別ーを考え抜いた、「同時代人」の闘いの記録としても読めるだろう」(田中秀臣

ケインズハイエクに続く20世紀経済学の巨人ミュルダールの知的評伝。不況、福祉国家、開発援助、人種差別といった現代の課題と格闘した経済学者を描いた本書は示唆に富む」(若田部昌澄)

 20世紀に偉大な経済学者(ミュルダールはノーベル経済学賞も受賞、夫人も平和賞受賞)がどのように世界の難題と格闘したのか。本書では20世紀の主要な経済問題とその時代背景が鮮明に描かれている傑作だと思います。おそらく今後、いろんなところで書評などがでてくるのではないでしょうか。それだけ意義のある著作です。

グンナー・ミュルダール ある知識人の生涯 (経済学の偉大な思想家たち)

グンナー・ミュルダール ある知識人の生涯 (経済学の偉大な思想家たち)

藤田菜々子さんの著作はこちら

ミュルダールの経済学―福祉国家から福祉世界へ

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