遠藤誉「中国の若者はいま」(明治大学国際日本学部特別講義)

 名著『中国動漫新人類』や、このブログでうっかり紹介し忘れた『拝金社会主義中国』などで著名な遠藤誉氏による明治大学での特別講義。一般の人も参加可能なので、これはぜひいってみたい。80年代以降生まれの中国の若い人たちに日常的にたぶん国内でも屈指の頻度で日ごろから接している僕からすると、最近、中国の留学生の質的な変化があるように「現場感覚」的に思っている。そこらへんの感覚の変化が、遠藤氏の講義を聞いて裏付けられるのか、それとも違う発見があるのか、非常に期待したい。できれば何も仕事が入らないように 笑

講義の概要(Pdfファイル)http://www.meiji.ac.jp/koho/hus/html/1287219624.pdf

以下概要

11 月12 日(金)4〜5 限(14:40〜17:50)412 番教室
①中国動漫新人類
――日本のアニメで育った中国の若者たち
1980 年以降に生まれた者たちを中国では「80 后(バーリンホウ)」と呼ぶが、80 后たちは皆、日本の動漫(アニメ・マンガ)を見
て育ってきた。『中国動漫新人類』(日経BP 社)を中心として80后の精神文化形成を紹介する。
愛国主義教育との狭間で――ダブルスタンダード
日本の動漫が大好きな若者たちはまた、同時に愛国主義教育を受けて育ってきた。愛国と日本動漫大好きという、ダブルスタンダードの中で生きる80 后が描く中国の未来像と日中関係は?

11 月13 日(土)3〜5 限(13:00〜17:50)M302 番教室
③4.2 億の「網民」(ネットユーザー)と80后
中国の「網民」(ネットユーザー)の数は4.2 億人。その約60%は80 后およびそれより低年齢の若者によって占められている。中国政府をも動かすネットパワーは中国に何をもたらすのか?
④蟻族――就職難にあえぐ中国の若者たち
一人っ子として「小皇帝」のように育った80 后は、激しい就職難にあえぎ、「蟻族」と呼ばれている。蟻族の実態と原因は?
⑤結婚できない“デキル”女たち――変貌する価値観
中華人民共和国誕生以来、「向前シャンチェン看カン」(前に向かって進め)と叫び「金儲けは罪悪」とされたが、1978 年に改革開放が始まると金儲けが奨励され、この言葉は同じ発音の「向シャン銭チェン看カン」に置き換えられた。その価値観の中で起きている「結婚できない“デキル”女」現象を通して中国を分析(『拝金社会主義 中国』参照)。