Ruth Towse:A Textbook of Cultural Economics

 ようやく日本銀行本の本文を脱稿した。ここ10年のまとめになっているので自分としてもよくもまあ飽きもせずに同じ問題をやっていると思う。まだあと十年くらい平気で満額回答までかかりそうな予感がして怖いのだが。

 それはさておき、今年は某大学で非常勤で「文化の経済学」の講義をもつかもしれないので、その準備に最新の文化経済学のテキストを注文したら、最近のアマゾンは不思議で、2〜3週間かかるという表示だったのに数日で届いた(他にも似たケースがあり)。まあ、早く届いて文句もないけど 笑

 さてこのテキストは文化経済学会の会長の手になる2010年刊行のできたてほやほや600頁もある大部な本。ハイカルチャーからサブカルチャーまで目配りをしていて、きちんと経済学の初歩的知識から無理なく学べる構成になっている。

 本当にお薦めできるかはこれから使ってみないと何ともだけど、例えば著作権の問題や芸術家の労働供給モデル、それに文化遺産の経済学など、類書ではあまりふれられていない問題が展望されてるのはやはりありがたい。

 Towse自身が文化経済学の会長講演でいっているけれども、文化経済学は長年、著作権の問題を正面きって扱ってなかったという。しかしいまでは日本でもこの問題は経済学的にも面白いものになっていると思う。

 もうちょっとフォーマルな分析があってもいいように思うけれども(大半が文章)、まあ、参考文献なんかでそこらへんは補うかな

A Textbook of Cultural Economics

A Textbook of Cultural Economics