2009年から2010年へ

 今日で2009年ともお別れです。毎年思いますが本当に時間はあっという間に過ぎてしまいます。2000年の後半から猪瀬直樹さんのメールマガジンの準備を始め、やがて2001年に『構造改革論の誤解』(野口旭さんとの共著)を出してから本業との両輪でいままでゼロ年代といわれる時代を主に脱デフレ=リフレ論争を中心にものを書いてきました。その21世紀最初の10年が終わろうとしているわけでやはり感慨があります。この次の10年は年齢からいっても健康であるかどうか、そもそも生きているかどうかさえもわかりませんが(笑)、自分に与えられた仕事には誠意をもって取り組みたいと思います。それくらいしかできることはないわけですから。以下は今年のかんたんなまとめです。

1 2009年に刊行した単著は『雇用大崩壊』(NHK出版)、『偏差値40から良い会社に入る方法』(東洋経済新報社)の二冊

 雇用問題が関心の中心でしたが、特に東洋経済さんとの長年の約束をまさかこの本で果たすとは想像もしてませんでした。両方とも吹き込み原稿を元に加筆削除していく手法を意識的に採用しました。語り口調でなおかつ図表を避けて書くようにしたのですが、かなりこの二冊はわかりやすいものになったと思っています。来年もこの手法を洗練化していくとともに、同時にかちっとした文体の本も書いていくという両輪で取り組みたいと思います。考えれば僕の文体も相当にこの10年で変化しました。なんか文体だけは若くなっているというか 笑。来年の第一弾はどれが最初かわかりませんw 並行して複数冊やってますが、そのうち整理されていくと思っております。ご期待ください。

雇用大崩壊―失業率10%時代の到来 (生活人新書)

雇用大崩壊―失業率10%時代の到来 (生活人新書)

偏差値40から良い会社に入る方法

偏差値40から良い会社に入る方法

2 日本経済デフレ不況に嵌ってます

 日本銀行と政府の対応が「小出し、遅れ、運任せ」の相変わらずの三拍子で歩調を合わせている現在、本当に日本経済というか日本社会が心配です。いままでの「失われた19年」がさらに延長してもう10年も伸びてしまえば日本社会の風景はがらりと変化、いや悪化してしまうでしょう。そうなるともはやマクロ経済政策でできる範囲が限られてしまいます。そのような不幸が構造化したような社会にしないためにも、要するに官僚(日本銀行財務省など)と官僚化した政治家にごりごりと責任をとらせ、早急に大胆なマクロ経済政策が必要になるでしょう。

 岩田先生はじめとする昭和恐慌研究会のメンバー、宮崎さんや山形さんたち知友の方々とともに、より時論活動を活発化させていかなくては、と思っています。そのためには政治的なアプローチも厭いません。

3 リアルな交流の輪をひろげる

 特に年末にかけてシノドスセミナー、各種研究会、そして自作自演wの漫画研究会など、リアルな交流の場をひろげて、ネットや書籍などで間接的に知り合った方々と直接お会いでき語らう時間などをもてました。この点は今年最も素晴らしく楽しいことでした。来年もそういう場を増やしていければいいと思っております。感謝感謝です。

 ラジオやテレビにも出ました。個人的にはラジオが合ってます。渡辺真理最強伝説を実感しましたw。雑誌・新聞などからのご依頼は厭わずすべて引き受けました。来年もメディアへの貢献をより一層、スキルを磨いて勤めたいと思います。

 学生の大学院進学指導やまた講義やゼミそして就職指導など教育にも例年以上に時間と情熱を注ぎました。結果としてネットよりもリアルな活動を来年以降もさらに重視していくのではないか、と思います。

 来年(といってももう明日ですがw)が皆さんにとっても充実した年になりますよう。そしてなによりも皆さんの健康と日本経済の健康をお祈りします。