増田悦佐+松藤民輔『2010年世界経済大予言―大恐慌を逆手にとる超投資戦略』

 下のエントリーに増田ネタを持ち出したので、本物の増田氏が最近何を書いているかといえば、昨日店頭で立ち読みしたこの本を喋っていた(対談本なので)。ざっと目を通したけれども、この話題は増田氏でなくても別にいいような? 個人的に増田氏は格差本以降ちょっと精力減退ぎみというか、少し大人しくなった感じがしてならない。人々の脳幹を刺激するような大胆な切り口を望みたいところ。

……とエントリーしてから下の本のはてブみたら、稲葉さんが突っ込み済。ある意味、ネットで愛されてる増田悦佐。(いい意味でも突っ込む意味でも)こんな仕事の程度では誰も許さないでしょう。

 それと稲葉氏が付け加えている苺掲示板の中味についてだけど、増田氏が金融政策の理解にまるまる欠けているのなんて、そんなの『高度成長』本からよく知られていることで(笑)、なにをいまさら。それでも『高度成長』、「日本型」、「日本文明」の三作は(肯定・批判あわせて)読むに値するでしょう。だいたい、その書いた人物がどんな性格であるとか、そのほかのところでどんな営業してようが、そんなの一々、ネットにいる病的なストーカーでもあるまいし、すべて追ってるわけでもその人物の人柄および行動に責任もなにも負えるわけもなし。こっちはただ参考になるところだけ使えば足るだけ。

 まあ、最近、どこかで読んだか見たかしたけど、膨大な蔵書を有する研究者の部屋に入ってきて、そのときの反応は大きくふたつにわかれるらしい。ひとつは「おお、すごい これ全部読まれたんですよね」というのと、もうひとつは部屋を一瞥するぐらいな人。その話では前者は本というものがすべて読んでないといけないと思っている人の反応。後者は本というのは研究にとってただ単なる参考個所にしかすぎないことを知っている人の対応だと。これはよくわかることで、ここらへん研究してると当たり前すぎるので、別に僕もいちいちいわんけど。どうも前者の人がわりと多いみたいで、参照にした本の著者の行動信条その後の意見の変化まですべて責任負わないといけないというアホだらな意見がなんかよく目につくよなあ。そういう匿名意見にかぎって研究とはしかじか、と偉そうに説くこともあるし 笑 研究したことがないか、推して知るべしのレベルなのを全然ご本人が気がついてないw。しかしまあ、本当に朝からがっくりした。

2010年世界経済大予言―大恐慌を逆手にとる超投資戦略

2010年世界経済大予言―大恐慌を逆手にとる超投資戦略