波頭亮・山崎元・村上尚己・田中秀臣・小幡績・吉本佳生・神谷秀樹『経済危機「100年に一度」の大嘘 CONUNDRUM 2009 Summer』

 手元に本日届きました。しかしこれはいろんな経済への見方がブレンドしてて面白い。山崎元さんの主張はわりと知っている方だと思うんだけど、波頭、小幡、吉本、神谷氏らがいまの世界同時不況をどんな観点でみているか、僕はこれではじめて知った。彼らの書いた単行本は、いつか『エコノミストミシュランー帝国の逆襲』でも編者三人がやる気になったら(笑)、まとめて読もうと積読だったので。

 特に興味深かったのは、山崎さんと波頭氏との対談。これは不況になると官僚やインサイダーたちの既得権益が伸長するという世間知的な仮説があるが、それをいまの日本に全面展開して論じているもの。山崎さんの方が日本経済の先行きに楽天的で、他方で波頭氏の方が僕には支持が難しい財政の徳政令水準(猛烈な円高ハイパーインフレ懸念)に陥った現状みたいな認識の違いなんかがある。山崎さんの持論であるベーシックインカムについて議論している。僕はこの政策には判断保留中で、しかも懐疑的判断保留というやつ。そのうち考えようかと思う程度である。あと副題で、経産はいらない!とあるが、僕も同意で、いつも考えるんだけどなんでこの省庁が必要なのか皆目わからない。この省庁の新規採用はとりやめて、数年後には解体ではなく消滅させればいいのに。

経済危機「100年に一度」の大嘘 CONUNDRUM 2009 Summer (講談社BIZ)

経済危機「100年に一度」の大嘘 CONUNDRUM 2009 Summer (講談社BIZ)