『ニューモデルマガジンX』6月号「雇用崩壊への処方箋はあるのか」

 以前、お知らせしました、山形浩生さんの連載などユニークな社会評論・ルポが独特の地位をしてている雑誌『ニューモデルマガジンX』の最新号で、ほぼ2ページにわたる長めのインタビューを掲載していただきました。テーマは雇用問題です。現状で麻生政権の景気対策がとりあえずそろったこと、また海外特にアメリカと中国にそろそろ景気反転の芽がでてきたことなどで、恐慌的な現象は回避されているように思えます。しかし僕は以下のようにこのインタビューで答えています(以下の引用は内容のごく一部分です)

政府による財政出動と金融政策を徹底するのは一番です。すでに去年と今年にかけて政府は補正予算を組んで景気対策をしていますが、その金額が18兆円。定額給付金も2兆円規模だし、G20麻生首相が10兆円規模の大型補正予算を指示しましたが、それでも足りない。景気対策はスピードと規模が重要なんです。いまの政府のやり方ではせいぜい2年後に失業率が7%になっているかもしれないところを6%にするくらいでしかない。

 特のこのインタビューは、記事の本文での正社員市場へのルポと連動する形で、ワークシェアリングなどの効果についても批判的に検討したものになっています。どうかご一読ください。

 ちなみに山形さんの「山形浩生の世界を読み解く叡智」はタタ自動車のナノの話の続きや中国の人民自動車(ひどいネーミングだw)の可能性をやがて先進国の自動車メーカーも思い知るだろう、と書いています。最近の事例であるネットブックとの比較の話はなるほどなあ、と思いました。しかしよく考えてみるとこの雑誌のほかの記事ですが、トヨタ自動車の人事計画のルポ、オバマ政権の自動車産業対策の記事など、いまの経済問題の中核が、自動車産業の長年の構造問題とも密接にからんできていることを提示していて興味深いですね(不況で構造問題はもつと悪化するわけですが…)。