懸念したとおりかな(日経報道から)。

 山形さんと僕のコメントを以下にエントリー収録。いまの日本の経済報道を考える上でも重要かな、と思う。率直にいって、ここまでひどいのは日経では稀な気もするが。正直いうと日本の新聞は、家族が読むので朝日をとってるけれどもほかはすべてネットのみ。前も書いたけれども日本の新聞よりも英米の新聞・雑誌(しかもネット版 笑)を読んだ方が勉強になるし、見識が広がる。しかもローコスト。あ、でもかのエコノミスト(英語)は、日本にいったみたいに金利上げよ、とFRBイングランド銀行とかに迫らないのかしら? 笑。たまに日本特派員だか日本からはげーこく雑誌・新聞でも変な声が聞こえる。そこんとこ皆もよく考える(邪推する)といろいろ妄想が広がるかもしれない 笑

 ともあれ以下ご覧ください。

山形 2009/01/09 10:47
>日本のネット界隈だけでの現象だが

ネット界隈だけとは限らないようです。以下の日経などをごらんあれ。

http://www.webcitation.org/5dgaID3YV

日本の量的緩和って、目標なんか設定してましたっけ? ゼロパーセントなんとかというやつのことでしょうか? 実際の議事録には、日本の量的緩和への言及なんか一切ないのにいちいち「日本の量的緩和策のような」とか入れることで、FRBの施策よりかつての日銀のほうが、政策的に踏み込んでいたという印象操作は、結構悪質。

tanakahidetomi 2009/01/10 09:06
>山形さん

この報道は「ワシントン」からみたいですが、確実にいえることは、1)FRBの公式文書の解釈として意味不明。日本型への言及など一切なし。これに関しては「量的緩和」というコトバの悪用が始まる気がするとした僕のこのエントリーを参照していただければと。まさに懸念したとおりの話かと思います。http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20081219#p1
2)「ワシントン」にいかないでも日本の片隅でほぼノーコストでももっと正確なFRBの公式文書だけをソースにした記事を書くことができることがわかりました。私企業でもムダな出費が
多いようです。

 あと日本の量的緩和の目標としては長期国債の買いオペの枠設定がありました。でも今回のFRBの文書には米長期国債の買いオペの検討は入っていたけれども具体的な目標(これこれこのぐらいの額という意味)の設定をめぐる議論の記述はない。それとFRBのバランスシートを将来にわたって拡大していく政策が積極的に議論されているけれども、日本銀行は自行のバランスシートの膨張を通貨の信認を低下させるものであると始終強調していた。だから日本銀行は長期国債買いオペの拡大を始終回避していたわけで、それが福井総裁後半の論戦のメインテーマでもありました(もちろんいまの方がそのときより緊急性を高めている)。すなわちFRBと昔・現在の日本銀行ではまったく異なる政策スタンスであり、日本流の「量的緩和」にすりよらせて、いまのFRBの政策を評価することは、事実の認識として単に間違い。