「真実の瞬間が来た」とか思ってないか?

 まあ、経済学を曲りなりにも勉強していると、人とは違い偏屈になるものです。実はちょっと朝早く用があって帰宅してから仮眠してしまい午前の株価などは追ってませんでした。それにしても下げましたね。

 現状の国際的な金融危機に望むこと(国際協調の点で)はすでに下に書きました。まずい対応がなされないことを祈ります。

 日本政府と日本銀行に望むべき対応もすでに書きました(というかもう何年も同じことの繰り返しですが、今回はその対応をとってこなかったことのツケがまわってきたわけです)。
 
 あとは今回が大恐慌再来なのか、それとも「ふつうの不況が世界を覆い、日本がその中でも最も没落しそう」という自分なりの見解でいいのか、それはすべて与件の変化に依存するのですが、後者のような見方はここ数日、少数派に転落しそうですね 笑。とはいえ同じような見解をもつ「偏屈」な人たちはどこにもいるものです。

 finalventさんが邦訳を教えてくれたロバート・サミュエルソンに続いて、コトリコフ、ベッカー、そしてブログでずっと静観していたマンキュー各先生方もそうみたいですね。ただ全員が、わかりやすくいえば「政府がへたをうてば=過去の教訓学ばなければまずい可能性は増していく」と思っていることでも共通しているでしょうね。

 日本の場合、昭和恐慌の時代からの教訓はさておき、「失われた10年」の教訓を学んでいないのでことは深刻ですけども(学びようもないですね、現在進行形で10年にどんどん加算されているわけですから)。

 マンキュー先生の直近のエントリーが今回の事態をみるにいい発言(特に「失われた10年」の教訓を学んでいないか、共通の理解がない日本では特に!)なので以下に引用しておきます。
 http://gregmankiw.blogspot.com/2008/10/never-say-never.html

Never say never

The VOA reports:

 Blanchard and his IMF colleagues say there is no chance of a repeat of the global depression of the 1930s, because the lessons of that painful decade have been learned.

Is Olivier really this confident? I, too, would bet against another Great Depression. In fact, in my personal portfolio, I am. But "no chance" seems a bit of an overstatement, especially since there is not a consensus among economists about why the Great Depression was as bad as it was. In other words, the economics profession has not confidently established what the lessons from that painful decade were. If we are not sure what we have learned from history, how can we be sure not to repeat it?