金利の種類が違うのでは?

http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/doramemon0809.html

(引用)もともと高橋先生はリフレーション政策を提唱してると理解しております。で、そのリフレ政策って今の日本で実施すると基本的には期待インフレ率の上昇(というかそもそも2%程度のインフレにって話ですよね)によって長期金利上昇要因になる(少なくとも2%のインフレに持っていくのであれば長期金利が1.5%に留まる訳はございませんえん)話でありまして、長期金利低下で云々というのは従来提言している政策のロジックと全く違う話を持ち出しているご都合主義の香りがプンプン漂ってくるのですけれども(引用終り)

 高橋洋一さんがここの記事http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20080910-00000003-voice-pol(おお!全文ネットで読める!)で書いていたのは以下でした。

(引用)もうおわかりであろうが、マクロ経済効果が少なく財政赤字を増す定率減税の復活もさることながら、それよりも埋蔵金6兆円を活用すべきである。マンデル=フレミング理論の応用になるが、この6兆円を財政支出や減税より市中国債の償還に回すほうが、長期金利低下となって、金融緩和政策と相まって、大きなマクロ経済効果になるにちがいない。こうしたマクロ経済政策ミックス金利低下を促すので、実質的には設備投資減税と同じことになる。今回のようなエネルギー・輸入価格を上昇させ交易条件を悪化させる外的ショックに対して、省エネ体質にして長期的な競争力を強化するために、政策的にも望ましい。
(引用終り)

 ここで高橋さんのいっている「長期金利低下」での「長期金利」は文章からも明らかなように設備投資などマクロ経済への効果をもつ実質金利(より正確な表現は期待実質金利ないし予想実質金利と日本語で表記されてるもの)のことなのは明白なのですが? もちろん期待インフレ率が上昇すれば長期名目金利は上昇します。しかし不完全雇用なので長期名目金利は期待インフレ率ほど上昇しないので期待実質金利は低下します。この期待実質金利の低下は投資や消費を刺激するマクロ経済効果を持ちます。以上で、高橋さんの論説はなんの「御都合主義」もなく従来のリフレ政策と整合的です。

 それと他のドラめもんさんのバランスシートとキャッシュフローの長い話についてですが、実は僕はドラめもんさんの書かれている内容の方がまったく理解できないのです。上の「長期金利低下」についても話の前提でずれているように思えるので、このバラ・キャッシュ問題についても同様なものかもしれません。ただどの前提でずれてるのか僕にはよくドラめもんさんの議論がまったく理解できないのでいちいちコメントすると混乱しそうなので天下り的に書かせていただきます。すでにこのエントリーhttp://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080910#p1に書いたように高橋埋蔵金案の理論的な核心と僕が理解しているのは、スティグリッツのいう意味での長期国債と短期国債の構成比の変更を伴うものと理解しています。それだけですが?

 あと話の前提でずれてたら申し訳ないですが、ドラめもんさんの「3)政府部門での両建て解消は意味が無くて市中から買うと意味があるというロジックですが、結局最終的には同じじゃないのかなという気が物凄くするのですが。例えば日銀保有国債を買入消却したらその分日銀の国債買入余力が増える話になるんじゃないのかなあ。いやまあ何かあたくしも書いてて頭がウニになってきた」ですが、もし日銀の国債買入余力が増えるのならばそれはぜひその『余力」を使って長期国債のいっそうの買い切りオペをしてほしいものです 笑)